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GPHG 大予想——スポーツ部門「異種格闘技的な面白さを楽しみたい」

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GPHG 2026 Predictions: Six Visions of the Sports Watch

GPHG 大予想——スポーツ部門「異種格闘技的な面白さを楽しみたい」

スポーツウォッチの魅力は、タフさや精度だけでは語り尽くせない。レーシングカーの設計思想、年差精度の追求、スニーカー由来の遊び心、そして暗闇で輝く新素材。今年のGPHGスポーツ部門には、機能も発想も異なる6本が揃った。それぞれのブランドが考える「スポーツ」を読み解きながら、受賞の行方を占いたい。

by Revolution Japan. Oct 3, 2026

スポーツ部門とは?

 GPHGオフィシャルによると、「スポーツ部門」は、「スポーツの世界と関わりを持ち、機能、素材、デザインの面で運動時の使用に適した時計を対象とする。なお、ユニークピースはこの部門には出品できない」と案内されている。

 単にスポーティな外観を備えているだけではなく、耐水性や耐衝撃性、軽量性、視認性、装着性など、アクティブな環境で使うための実用性も重要になるだろう。しかしながら、それらに明確な基準があるわけではないのだ。

 ゆえに、その解釈の幅は広く、ダイバーズウォッチからモータースポーツ由来のモデル、GMTや永久カレンダーを搭載したラグジュアリースポーツまでが同じ舞台で競う。この異種格闘技ぶりが、この部門の面白さでもある。


Nominee #1——CHOPARD Zagato Lab One Concept

ショパール〈ザガート ラボ ワン コンセプト〉

 ザガートは1919年創業のイタリアを代表するカロッツェリア。アルファ ロメオやアストンマーティンなど、数々の名車のボディを手がけてきた。

〈ザガート ラボ ワン コンセプト〉の面白さは、ザガートの設計思想そのものを時計に落とし込んだ点にある。42mmケースやムーブメントのブリッジ、地板にはセラマイズドチタンを採用し、ストラップ込みの重量はわずか43.20g。軽量でありながら、高い耐傷性と耐衝撃性も備える。

 象徴的なのがムーブメントだ。ザガートのレーシングカーに見られるチューブラー・シャシーから着想し、ムーブメントをチューブ状の構造によって支える設計を採用。さらに自動車のエンジンマウントのように、振動や衝撃を吸収する仕組みまで備えている。いわば「レーシングカーのシャシー思想を、そのまま機械式時計へ縮小した」ような構造なのである。

 長年にわたってモータースポーツを愛してきたショパール共同社長、カール-フリードリッヒ・ショイフレだからこそ生まれた一本、といえるだろう。

Tech Specs

ショパール〈ザガート ラボ ワン コンセプト〉Ref.168636-3001 ケース:チタン ケース径:42mm 厚さ:11.15mm 防水性:50m 文字盤:ザガートの「Z」モチーフを施したチタン製ダイヤル ストラップ:テクニカルファブリック バックル:ピンバックル ムーブメント:手巻き機械式 振動数:毎時2万8800振動 パワーリザーブ:約60時間 機能:時、分、スモールセコンド、パワーリザーブ表示、トゥールビヨン 認定:COSC 発売:2026年4月 限定数:19本 価格:13万スイスフラン(税込)


Nominee #2——GRAND SEIKO Spring Drive U.F.A. Ushio 300 Diver

グランドセイコー〈スプリングドライブ U.F.A. Ushio 300 ダイバー〉

  年差±20秒の高精度を備える、グランドセイコーの〈スプリングドライブ U.F.A. Ushio 300 ダイバー〉。ブランドのダイバーズウォッチとして初めてU.F.A.ムーブメントを搭載し、直径40.8mmという同ブランドのダイバーズ史上最小のケースに収めた。精度と扱いやすさの両面から、実用時計としての完成度を追求している。

 搭載するキャリバー9RB1は、2025年に発表されたスプリングドライブU.F.A.の技術を基盤に、ダイビングに求められる堅牢性を高めたムーブメント。エボリューション9スタイルに基づく設計が、視認性と装着感にも配慮する。ブルーの「Ushio」ダイヤルには、日本列島を取り巻く潮の表情を模様とグラデーションで表現。機能を磨いた一本に、海を思わせる豊かな陰影を添えている。

 Tech Specs

グランドセイコー スプリングドライブ U.F.A. Ushio 300 ダイバー ケース:ブライトチタン 直径:40.8mm 厚さ:12.9mm ダイヤル:「Ushio」パターン 防水性能:300m ムーブメント:スプリングドライブ 精度:年差±20秒 パワーリザーブ:約72時間 機能:時・分・秒表示、パワーリザーブ表示 ブレスレット:ブライトチタン クラスプ:微調整機構およびエクステンション付きフォールディングクラスプ リファレンス:SLGB023 発売:2026年6月 価格:12,500スイスフラン(付加価値税込み)


Nominee #3——H. MOSER & CIE Streamliner Pump

H.モーザー〈ストリームライナー・ポンプ〉

 1980年代末に登場し、一世を風靡したリーボックのスニーカー〈ポンプ〉。その象徴的なボタン操作を、機械式時計の巻き上げに取り入れたのが〈ストリームライナー・ポンプ〉だ。オレンジ色のプッシュボタンをひと押しするだけで、1時間以上の駆動力を蓄える。完全に巻き上がった後も押し続けられる仕組みに、H.モーザーらしい遊び心が宿る。

 ムーブメントは、自動巻きキャリバーHMC 500を全面的に再設計し、手巻きへと変更。ケースには、軽量で独特のモアレ模様を持つフォージド・クォーツファイバーを採用した。マットな質感がスポーティな表情を生み、内側のチタン製ケースがムーブメントを保護しながら10気圧防水を確保する。

 ブラックとホワイトの各250本限定で、両ブランドが共同制作した特別なポンプスニーカーも付属する。スニーカーを自分の足になじませる動作が、時計を動かす動作へ。ボタンを押す楽しさと独自の巻き上げ機構を結びつけた、ユーモアあふれる一本だ。

Tech Specs

H.モーザー ストリームライナー・ポンプ ケース:フォージド・クォーツファイバー サイズ:40×39.9mm 厚さ:11.4mm ダイヤル:ポリッシュ仕上げのラッカー 防水性能:100m ムーブメント:手巻き パワーリザーブ:74時間 振動数:毎時21,600振動 機能:時・分表示、パワーリザーブ表示、プッシュボタンによる巻き上げ ストラップ:ラバー
バックル:ピンバックル リファレンス:6103-2201 発売:2026年4月 限定数:250本 価格:33,900スイスフラン(付加価値税込み)


Nominee #4——HERMÈS H08 squelette

エルメス〈エルメス H08 スケルトン〉

 2021年に誕生した〈エルメスH08〉に、初のスケルトンモデルが加わった。直線と曲線が織りなす独特のフォルムはそのままに、コレクションの幾何学的な美しさをムーブメントの内部にまで行き渡らせている。

 チタン製ケースに搭載するのは、自社製自動巻きキャリバーH1978S。ブラックPVD加工を施したチタン製の地板とブリッジが、軽やかで立体的な構造を描く。四角形を思わせるタングステン製ローターも、H08ならではの造形に呼応する。

 ブラックのオープンワーク文字盤には、グレーのミニッツトラックと、スーパールミノバの塊から削り出したアプライド数字を配置。透けて見える機構に鮮明なコントラストを添え、グラフィカルな表情を際立たせた。編み込み模様を施したブルー・ザンジバルのラバーストラップが、スポーティな一本に鮮やかな彩りを添えている。

 Tech Specs

エルメス 〈エルメスH08 スケルトン〉 ケース:チタン サイズ:39×42mm 厚さ:11.69mm ダイヤル:スケルトン 防水性能:100m ムーブメント:自動巻き、スケルトン仕様 パワーリザーブ:60時間 振動数:毎時28,800振動 機能:時・分・秒表示 ストラップ:ラバー バックル:フォールディングバックル リファレンス:SP3.742.230/CAB3NR.2121E.D 発売:2026年4月 価格:18,900スイスフラン(付加価値税込み)


Nominee #5——IWC SCHAFFHAUSEN Big Pilot’s Watch Perpetual Calendar Ceralume®

IWCシャフハウゼン〈ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダー・セラリューム®〉

 独自の発光セラミック「セラリューム®」を纏う、世界限定250本のビッグ・パイロット・ウォッチ。直径46.5mmのケースは、セラミック粉末にスーパールミノバの顔料を均一に混合して製作される。蓄えた光は暗闇で24時間以上にわたり青い輝きを放ち、蓄光顔料を配合した文字盤とラバーストラップも呼応するように発光する。

 昼間はホワイトとグレーの色調に、マットと光沢の対比が際立つ。暗闇では一転、青く輝く文字盤を背景に、数字や針の輪郭が影となって浮かび上がる。ローターに配した、IWCの品質への信念を象徴する「プローブス・スカフージア」のメダリオンにも発光素材を採用。ケースバック側にも光の演出が及ぶ。

 自社製自動巻きキャリバー52616は、クルト・クラウスが開発した永久カレンダー機構を継承。日付、曜日、月、4桁の西暦に加え、南北両半球の月相を示すダブルムーン®表示を備え、月相の誤差は577.5年でわずか1日にとどまる。セラミック部品で耐摩耗性を高めたペラトン自動巻き機構を搭載し、7日間のパワーリザーブを確保している。

Tech Specs

IWCシャフハウゼン ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダー・セラリューム® ケース:セラリューム®(発光セラミック) 直径:46.5mm 厚さ:15.9mm ダイヤル:ルミキャスト・ブロック 防水性能:100m ムーブメント:自動巻き パワーリザーブ:168時間(7日間) 振動数:毎時28,800振動 機能:時・分・秒表示、永久カレンダー(日付・曜日・月・西暦)、ムーンフェイズ、パワーリザーブ表示 ストラップ:スーパールミノバ配合のホワイトラバー バックル:フォールディングバックル リファレンス:IW505801 発売:2026年4月 限定数:世界限定250本 価格:65,000スイスフラン(付加価値税込み)


Nominee #6——LAURENT FERRIER Sport Traveller Slate Grey

ローラン・フェリエ〈スポーツ・トラベラー スレートグレー〉

〈スポーツ・トラベラー〉は、ローラン・フェリエらしい端正な造形に、旅先で役立つデュアルタイム機能を組み合わせた一本だ。直径42mmのグレード5チタン製ケースに一体型ブレスレットを備え、100m防水を確保する。

 スレートグレーのオパライン仕上げの文字盤には、グリーンに発光するスーパールミノバを充填したホワイトゴールド製のアセガイ針を配置。昼夜を問わず読み取りやすい表示に仕上げた。ケースの8時と10時位置に設けたプッシュボタンで、ムーブメントを止めることなく、ローカルタイムを1時間単位で前後に調整できる。

 搭載する新開発の自社製自動巻きキャリバーLF275.01は、デュアルタイムと日付表示を備える。偏心配置のプラチナ製マイクロローターにはボールベアリングを採用し、片方向巻き上げによって72時間のパワーリザーブを確保。スイスレバー脱進機を備え、各部品には自社工房で丁寧な装飾仕上げが施されている。

Tech Specs

ローラン・フェリエ 〈スポーツ・トラベラー スレートグレー〉 ケース:チタン サイズ:42×44.2mm 厚さ:13.30mm ダイヤル:スレートグレー、オパライン仕上げ 防水性能:100m ムーブメント:自動巻き パワーリザーブ:72時間 振動数:毎時28,800振動 機能:時・分・秒表示、日付表示、デュアルタイム ブレスレット:グレード5チタン バックル:フォールディングバックル リファレンス:LCF045.T1.NG1C7 発売:2026年4月 価格:66,000スイスフラン(付加価値税込み)


Revolution Japanの予想

印を付けなかった3本にも、それぞれに勝機がある。エルメス〈エルメスH08 スケルトン〉は、外装からムーブメントまで一貫した造形が魅力。スポーツウォッチにエレガンスを求めるなら、見逃せない存在だ。

IWCの〈ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダー・セラリューム®〉は、ケースからストラップまで青く発光する姿が強烈。素材開発の挑戦と永久カレンダーの技術を、一度見たら忘れられない表現へと結びつけている。インパクト度ではナンバーワンだろう。

ローラン・フェリエ〈スポーツ・トラベラー〉は、旅先での使いやすさと丁寧な仕上げで勝負する一本。派手な演出こそ控えめだが、そこがこのブランドの魅力でもあるのだ。

スポーツ部門は、何を評価の中心に据えるかで順位が大きく変わる。構造と軽量化ならショパール、精度と実用性ならグランドセイコー、操作の楽しさならH.モーザー。そこにエルメスのエレガンス、IWCの新素材、ローラン・フェリエの上品さが加わる。異なる得意技を持つ6本が、同じ舞台で競うのである。まさに「異種格闘技」そのものだ。

◎ 本命
ショパール〈ザガート ラボ ワン コンセプト〉

 レーシングカーの設計思想を、時計の構造にまで落とし込んだ点が唯一無二。モータースポーツの造詣が、素材や機構に明確に表れている。「ザガート」というカロツェリア・ブランドもヨーロッパではまだまだ強い。GPHGの審査員は、会場まで高級スポーツカーを運転してくるような人が多いらしいから、この時計は人気があるはず。ただし、ショパールはこの部門の前年の覇者でもあり、今回も他部門に数多くノミネートされている。そこがどう見られるか。

○ 対抗

グランドセイコー〈スプリングドライブ U.F.A. Ushio 300 ダイバー〉

 年差±20秒という驚異的な精度を、300m防水、直径40.8mmのケースに凝縮。精度、小型化、視認性、装着感と、いくつもの強みを備えた王道のダイバーズウォッチだ。投げても打っても一流、まるで時計界の大谷翔平である。この顔ぶれのなかでは、価格と性能のバランスでも筆頭に推したい。自腹で買う一本を選ぶなら、真っ先に手が伸びそうだ。独自のスプリングドライブ機構がどう評価されるかも見どころだが、搭載時計は2010年のスポーツ部門、2019年のダイバーズ部門で受賞済み。頂点を狙う素地は十分にある。

▲穴
H.モーザー〈ストリームライナー・ポンプ〉

 意外性で選ぶなら、リーボックのスニーカーの操作を巻き上げ機構に取り入れたH.モーザーだ。ボタンを押すという身近な動作を、時計を動かす楽しさへと変え、そのためにムーブメントまで再設計した。スポーツカルチャーを、機械式時計の操作体験へと翻訳した発想が面白い。〈ポンプ〉ファンなら、オレンジ色のボタンを前に思わず笑みがこぼれるはず。性能や機能に加え、スポーツにまつわる文化や遊び心が評価されれば、一気に主役へ躍り出るかもしれない。

※本稿の予想はRevolution Japan編集部による独自の見解であり、GPHGの審査結果とは一切関係ありません。

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《まとめ》Revolution Japanが送る——GPHG「本命・対抗・穴」大予想!

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