The Impossibly Smooth Ressence Type 10 DN (Dark Knight)
レッセンス〈タイプ10 DN〉、流れるような造形に宿る進化
ケースからストラップへと滑らかにつながるフォルムと、オイルの中で動く独創的な時刻表示。レッセンスの〈タイプ 10 DN〉は、同ブランドのオイル充填式モデルとして初めて自社製キャリバーを採用した。一体感を追求したデザインと新たな駆動機構が、その時計づくりを次の段階へと導く。
![]() |
by Felix Scholz . Oct 21, 2026 |
レッセンスの歩みは実に興味深い。ブランドを特徴づけるのは、針の代わりにレギュレーター式の回転ディスクで時刻を表示するという、ひとつの独創的なアイデアだ。その発想を核に、2010年の創業以来、創業者ブノワ・ミンティエンスのもと、21世紀における時計づくりの可能性を探ってきた。独特の回転ディスクを常に中心に据えながら、自らの時計を進化させ続けている。

〈タイプ10 DN〉を駆動するのは、自社製キャリバーRW-04だ。スポーティなシルエットには〈タイプ7〉との共通点が随所に見られるが、同時に独自の個性も備えている。

▲創業者ブノワ・ミンティエンス。2010年にレッセンスを創業したインダストリアルデザイナーで、時計を手がける以前は、高速鉄道や航空機の客室、医療機器などのデザインに携わっていた。
ミンティエンスによれば、〈タイプ10 DN〉のデザインには明確な意図があるという。
「継ぎ目のない、ひとつの物体のように感じられるべきなのです。まるで、ひとつの素材の塊から時計を削り出したかのように」
確かに、サファイアクリスタルからダークブルーのチタンケース、そして同色のラバーストラップへと続く流れは、3つの異なる素材を用いながらも、極めて滑らかだ。その一体感の一端を担っているのが、オイルである。


オイルを充填する根本的な目的は、視認性の向上にある。レッセンスの独創性は、時計の内部すべてをオイルで満たすのではなく、表示機構側だけに充填している点にある。ROCS(レッセンス・オービタル・コンベックス・システム)はオイルの中で滑らかに動き、その下の機械式ムーブメントは空気に包まれている。
両者は気密構造によって隔てられ、ムーブメントが微小な磁石を備えたディスクを回転させると、オイル側に配された同様のディスクが磁力によって連動する。これにより、ふたつの空間を完全に分離しながら、調和の取れた動作を実現している。
また、オイルは温度によって膨張・収縮するため、〈タイプ10 DN〉にはオイルの温度表示を搭載。さらに、120秒で一周する作動表示も備えており、これは繊細な機構を衝撃から守る役割も果たしている。

〈タイプ10 DN〉は、レッセンスの時計づくりが次の段階へと進んだことを感じさせる。技術とデザインの両面で、ブランドとしての成熟を示す一本だ。創業以来、一貫して21世紀の時計のあり方を追求してきたレッセンスが、ここからどのような進化を遂げるのか、期待は大きく膨らむ。
Tech Specs
レッセンス〈タイプ10 DN(ダークナイト)〉 ムーブメント:自社製キャリバーRW-04で駆動する特許取得のROCS 10モジュール。自動巻き。パワーリザーブ約60時間 機能:時・分表示、セカンドタイムゾーン、120秒作動表示兼ショックアブソーバー、オイル温度表示 ケース:ポリッシュ仕上げのグレード5チタン。DLCコーティング。直径41.5mm。50m防水 ストラップ:一体型ラバーストラップ。DLCコーティングを施したチタン製バックル 価格・限定数:4万5000スイスフラン(税別)、限定100本
Brands:Ressence
▼関連動画
