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GPHG 大予想——Mechanical Exception部門「発明と創造性が試される舞台」

Editorial

GPHGの中でも、最も「発明」という言葉が似合うのがMechanical Exception部門だ。打鐘機構、天文表示、超薄型、特殊脱進機、そして伝統的な時計製造技法――。2026年のノミネート作には、既存の複雑機構という枠には収まらない、独創的なメカニズムを備えた6本が揃った。今年、審査員の心をつかむのは、圧倒的な複雑さか、それとも時計づくりの常識そのものを塗り替えるアイデアか。Revolution Japanが本命、対抗、穴の3本を予想する。

Reference

GPHG 2026 Predictions: Mechanical Exception— Where Watchmaking Breaks the Rules

GPHG 大予想——Mechanical Exception部門「発明と創造性が試される舞台」

GPHGの中でも、最も「発明」という言葉が似合うのがMechanical Exception部門だ。打鐘機構、天文表示、超薄型、特殊脱進機、そして伝統的な時計製造技法――。2026年のノミネート作には、既存の複雑機構という枠には収まらない、独創的なメカニズムを備えた6本が揃った。今年、審査員の心をつかむのは、圧倒的な複雑さか、それとも時計づくりの常識そのものを塗り替えるアイデアか。Revolution Japanが本命、対抗、穴の3本を予想する。

by Revolution Japan. Sep 22, 2026

Mechanical Exception部門とは?

 Mechanical Exception部門は、「時計の常識を覆すメカニズム」を評価するカテゴリーである。単なる複雑機構(コンプリケーション)を競うのではなく、これまでにない発想や構造、表示方法、機械的なアイデアを備えた時計が対象となる。

 例えば、独創的な時刻表示機構、オートマトン(からくり機構)、ミニッツリピーターなどの音響機構、特殊な脱進機、ベルト駆動式ムーブメントなどが該当する。さらに、既存のカテゴリーには収まらない、革新的な時計機構も審査対象となる。

 GPHGの中でも特に「発明」や「技術革新」を重視する部門であり、時計師の創造性がもっとも色濃く表れるカテゴリーと言える。

 ただし、一点物(ユニークピース)は応募資格を持たない。

 この部門は、Complication部門と混同されがちだが、違いは以下となる。

・Complication部門:複雑機構そのものの完成度を競う。

・Mechanical Exception部門:機構の独創性・革新性を競う。

 つまり、単に機能の数を競うのではなく、機構の独創性や革新性が重要になる部門である。これはGPHGの中でも最も実験的で、時計づくりの未来を感じさせるカテゴリーだといえるだろう。まさに「発明」を競うのである。


Nominee #1——BLANCPAIN Grande Double Sonnerie

ブランパン〈グランド ダブル ソヌリ〉

〈グランド ダブル ソヌリ〉は、ブランパン史上もっとも複雑な腕時計である。開発には8年を要し、キャリバー15GSQは1053個、時計全体では1116個の部品で構成される。21件の特許が開発され、そのうち13件が最終ムーブメントに採用された。

 最大の特徴は、4音・4ハンマーによる打鐘機構だ。伝統的なウェストミンスターチャイムに加え、ロックバンドKISSのドラマー、エリック・シンガーがブランパンのために作曲したオリジナルメロディを、ボタン操作で選択できる。一般的な2音のソヌリとは異なり、E、G、F、Bの4音によって、本格的な旋律表現を可能にした。

 音響性能にも徹底してこだわり、特許取得済みのアコースティックメンブレンと無音のマグネティックレギュレーターを採用。各ゴングはミクロン単位で手作業により調律され、時計そのものを小さな楽器へと仕立てている。

 さらに、グランドソヌリ、プチソヌリ、ミニッツリピーターに加え、4Hzのフライングトゥールビヨン、レトログラード式パーペチュアルカレンダー、2系統のパワーリザーブ表示を搭載する。

 ケースは47mm径、厚さ14.5mm。これほどの複雑機構を収めながら、日常着用を前提とした耐久性も確保している。

 ひとつのムーブメントの製作には約1年を要し、年間生産はわずか2本。18Kゴールド製のメインプレートと26枚のブリッジ、135カ所の内角仕上げなど、装飾もすべて手作業で施される。

〈グランド ダブル ソヌリ〉は、音響技術、グランドコンプリケーション、そして最高峰の手仕事をひとつに融合した、ブランパン渾身の作品である。

Tech Specs

ブランパン〈グランド ダブル ソヌリ〉 ケース素材:レッドゴールド ブレスレット/ストラップ:レザー バックル:フォールディングバックル ダイアル:スケルトンゴールドダイアル 防水性能:10m サイズ:直径47mm 厚さ:14.5mm ムーブメント:手巻き機械式ムーブメント、パワーリザーブ約96時間、毎時2万8800振動、シリコン製脱進機、スケルトンムーブメント 機能:時、分、秒、日付、曜日、月、年、パワーリザーブ表示、トゥールビヨン、パーペチュアルカレンダー、ミニッツリピーター、グランドソヌリ/プチソヌリ、ミュージカルウォッチ、特殊脱進機、2種類のメロディ切替機能、レトログラードデイト リファレンス 15GSQ 3613 55B 発売時期:2025年11月 価格:170万スイスフラン(税込)


Nominee #2——CHOPARD L.U.C Grand Strike

ショパール〈L.U.C グランド ストライク〉

 こちらもショパール史上もっとも複雑な打鐘時計。マニュファクチュール内で完全開発されたこのタイムピースは、グランドソヌリ、プチソヌリ、ミニッツリピーターを備え、独自開発のサファイアクリスタル製ゴングを採用。共同社長カール-フリードリッヒ・ショイフレが長年追い求めてきたソヌリ開発の集大成であり、ショパールが培ってきた機械式時計製造技術の頂点を示す一本である。

 開発には1万1000時間を超える研究開発が費やされ、10件の特許技術を採用。そのうち5件は本作のために新たに開発されたものだ。

 品質面でも徹底しており、自社試験に加え、ジュネーブ・シール(ポワンソン・ド・ジュネーブ)とCOSC(スイス公式クロノメーター検定)の認証を取得している。

 デザインは伝統と現代性を融合。控えめな曲線を描くケースに、ダイアルを極力排した構成を採用し、686個の部品から成るキャリバー〈L.U.C 08.03-L〉を主役として見せている。6時位置には60秒で一周するトゥールビヨンを配置し、COSC認定の高精度を象徴する。

 そして最大の特徴が、ショパール独自のサファイアクリスタル製ゴングだ。ダイアルと一体で削り出された特許構造を採用し、時計製造では前例のないサファイアクリスタルを素材とすることで、他にはない澄み切った音色を実現している。

Tech Specs

ショパール〈L.U.C グランド ストライク〉 ケース素材:ホワイトゴールド ブレスレット/ストラップ:レザー バックル:フォールディングバックル
ダイアル:ダイアルレスディスプレイ サイズ:直径43mm 厚さ:14.08mm ムーブメント:手巻き機械式ムーブメント、パワーリザーブ約70時間、毎時2万8800振動、ジュネーブ・シール取得 機能:時、分、スモールセコンド、パワーリザーブ表示、トゥールビヨン、ミニッツリピーター、グランドソヌリ/プチソヌリ 認証:COSC(スイス公式クロノメーター検定) リファレンス:161994-1001 発売時期:2025年11月 価格 78万2500スイスフラン(税込)


Nominee #3——CHRISTIAAN VAN DER KLAAUW Grand Planetarium Eccentric Silicium

クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ〈グランド・プラネタリウム・エキセントリック・シリシウム〉

 クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ〈CVDK × Revolution グランド・プラネタリウム・エキセントリック・シリシウム〉は、当メディアRevolutionとのコラボレーションモデルである。CVDK創業50周年を記念した〈グランド・プラネタリウム エキセントリック・マニュファクチュール〉(2024年)をベースとし、限定数はわずか6本の特別モデルだ。

〈グランド・プラネタリウム・エキセントリック〉は、水星から海王星まで、太陽系に属する8つすべての惑星の公転をリアルタイムで表示できる、世界で唯一の機械式腕時計だ。

 ケースは316Lステンレススティールから削り出し、低温カーボン拡散処理を施すことで、表面硬度を約1200ビッカースまで高めている。これは未処理のステンレススティールのおよそ6倍に相当する。

 さらにビーズブラスト仕上げによって、光を柔らかく拡散するマットなグレートーンの表情を与え、使用による細かな傷も目立ちにくくした。ケースサイズは直径44mm、厚さ14.9mm。

 ダイアルは9枚の酸化シリコン製パーツで構成され、光の角度によってブルーからヴァイオレットへと変化する。その色合いは、まるで深遠な宇宙空間を思わせる。

 その上で、スーパールミノバで手描きされた惑星が、それぞれ実際の公転周期に従って動く。水星の87.97日から、海王星の164.80年まで――手首の上に、太陽系そのものを機械的に再現しているのである。

Tech Specs

クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ〈グランド・プラネタリウム・エキセントリック・シリシウム〉 ケース素材:1200ビッカースまで硬化処理を施したステンレススティール ブレスレット/ストラップ:セイルクロス調FKMラバー バックル:フォールディングバックル ダイアル:シリコン、酸化シリコン、スーパールミノバ 防水性能:30m サイズ:直径44mm 厚さ:14.9mm ムーブメント:自動巻き機械式ムーブメント、パワーリザーブ約60時間、毎時2万1600振動 機能:時、分、秒、フル・プラネタリウム(8惑星) 発売時期:2026年3月 限定数:6本 価格:15万6800スイスフラン(税込)


Nominee #4——FERDINAND BERTHOUD Naissance d’une Montre 3

フェルディナント・ベルトゥー〈ネソンス ドゥンヌ モントル 3〉

〈ネソンス ドゥンヌ モントル 3〉は、時計製造の伝統を未来へ受け継ぐことを目的としたプロジェクトであり、6年にわたる研究と製作の集大成である。

 製作にあたっては、ヴィンテージ工作機械を集めた専用工房を新設。タイム・イーオン財団(失われつつある技術継承を目的にした非営利団体)の規定に従い、すべての部品をデジタル支援なしで製作した。人の目、手、判断だけを頼りに、伝統的な工具と機械を使ってひとつひとつ仕上げたのだ。

 技術的な核となるのは、鎖引き式フュゼによるコンスタントフォース機構、温度補正機能を備えたスプリット・バイメタル製ギヨーム型テンプ、センターセコンド、そして開放的なムーブメント構造。これらはすべて、フェルディナント・ベルトゥーの時計製造思想に深く根ざしている。

 プロジェクトを率いたのは、クロノメトリー・フェルディナント・ベルトゥー創設者兼社長のカール-フリードリッヒ・ショイフレ。ブランド創設10周年に合わせ、80人を超えるクロノメトリー・フェルディナント・ベルトゥーとショパールの職人、技術者、専門家が参加した。

 ケースは新設計の44mm、18Kゴールド製。ムーブメントはダイアル側からほぼ全体を見渡すことができる。COSC取得にも成功している。

〈Naissance d’une Montre 3〉が示しているのは、単なる復古趣味ではない。目的地よりも、その時計がどのような手仕事と時間を経て生まれたのか。その「過程」そのものに価値を見いだす時計なのである。

Tech Specs

フェルディナント・ベルトゥー〈ネソンス ドゥンヌ モントル 3〉 ケース素材:ホワイトゴールド ブレスレット/ストラップ:レザー バックル:ピンバックル ダイアル:スケルトン 防水性能:30m サイズ:直径44.30mm 厚さ:13mm ムーブメント:手巻き機械式ムーブメント、パワーリザーブ約50時間、毎時2万1600振動 機能:時、分、秒、パワーリザーブ表示、鎖引き式フュゼ、バイメタル製テンプ 認証:COSC(スイス公式クロノメーター検定) 発売時期:2025年9月 限定数:11本 価格:85万スイスフラン(税込)


Nominee #5——H. MOSER & CIE Endeavour Minute Repeater Cylindrical Tourbillon Skeleton Cosmic Rain

H.モーザー〈エンデバー・ミニッツリピーター シリンドリカル トゥールビヨン スケルトン コズミックレイン〉

 H.モーザー〈エンデバー・ミニッツリピーター シリンドリカル トゥールビヨン スケルトン コズミックレイン〉は、ブランドを代表する複雑機構を20本限定で再解釈したモデルである。

 直径40mmのチタンケースに、ダイアル側から見えるミニッツリピーター、円筒形ヒゲゼンマイを備えたフライングトゥールビヨン、そして完全にスケルトナイズされた手巻きムーブメントを組み合わせる。そこに、アベンチュリンとマザー・オブ・パールを用いた芸術的なダイアル表現を加え、音、動き、光をひとつの時計に融合させた。

 主役はミニッツリピーターだ。通常はムーブメント裏側に隠されるハンマーとゴングをダイアル側に配置し、機構に遮られることなく鑑賞できる構成とした。オープンワークによって、ムーブメント全体に視線が通る。

 2時位置には、ドーム状のアベンチュリン製ダイアルを配置。2色のアベンチュリンガラスの断片を手作業で重ね、フュメグラデーションを作り出した後、複数回のグラン・フー焼成を行う。さらにその上から、細くカットしたマザー・オブ・パールを、あらかじめ彫られた溝に一本ずつ手作業でセットしている。

 ミニッツリピーターが耳に語りかけ、トゥールビヨンが動きの精密さを示し、アベンチュリンとマザー・オブ・パールが視線を引きつける。音、動き、光。3つの異なる表現を、ひとつの時計にまとめ上げた作品である。

Tech Specs

H.モーザー〈エンデバー・ミニッツリピーター シリンドリカル トゥールビヨン スケルトン コズミックレイン〉 ケース素材:チタン ブレスレット/ストラップ:レザー バックル:ピンバックル ダイアル:スケルトン/アベンチュリン+マザー・オブ・パール サイズ:直径40mm 厚さ:14.4mm ムーブメント:手巻き機械式ムーブメント、パワーリザーブ約90時間、毎時2万1600振動、スケルトンムーブメント 機能:時、分、トゥールビヨン、ミニッツリピーター、円筒形ヒゲゼンマイ 発売時期:2026年6月限定数:20本 価格:37万8350スイスフラン(税込)


Nominee #6——KONSTANTIN CHAYKIN Thinking Mystery

コンスタンチン・チャイキン〈シンキング・ミステリー〉

〈ThinKing Mystery〉は、コンスタンチン・チャイキンが追求してきた超薄型時計の集大成である。ケース厚はわずか1.65mm。限定生産の機械式腕時計として世界最薄クラスを実現している。

 その鍵となるのが、歯車で連結されたダブルバランスだ。通常は縦方向に重なる調速機構の要素を同一平面上に分散し、スイスレバー脱進機を維持したまま高さを大幅に抑えている。香箱も上下の壁を省き、ケース自体を構造の一部として活用する特殊設計だ。

 さらに、表示には2枚の透明なサファイアディスクを用いた「ミステリー」機構を採用。時・分表示が空中に浮かんでいるかのように見える。

 ケース下部はムーブメントのメインプレートも兼ね、特殊合金によって強度、防水性、耐磁性を確保。ケースひとつの製造には約2カ月を要する。

 単なる薄さ競争ではなく、極限の薄さの中に独自機構と遊び心まで盛り込んだ、チャイキンらしい一本である。

 Tech Specs

コンスタンチン・チャイキン〈シンキング・ミステリー〉 ケース素材:特殊耐磁・耐食合金 ブレスレット/ストラップ:レザー バックル:ピンバックル ダイアル:ケースと一体化した構造 サイズ:直径41mm 厚さ:1.65mm ムーブメント:手巻き機械式ムーブメント、パワーリザーブ約38時間、毎時1万8000振動 機能:時、分 発売時期 2026年4月 限定:12本 価格 40万スイスフラン(税込)


Revolution Japanの予想

 今回、本命・対抗・穴から外した3本も、決して評価が低いわけではない。むしろ、Mechanical Exceptionという部門の懐の深さを象徴する存在だ。

 ショパール〈L.U.C グランド ストライク〉は、サファイアクリスタル製ゴングという明確な技術的独自性を持ち、グランドソヌリとしての完成度も極めて高い。ブランパンとの直接対決となれば、最後まで票を奪い合っても不思議ではない。

 クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ〈CVDK グランド・プラネタリウム・エキセントリック・シリシウム〉も、水星から海王星まで8惑星すべての公転をリアルタイムで表示するという、唯一無二の天文機構を備える。「独創的なメカニズム」という点では、これほど分かりやすくMechanical Exceptionを体現する時計もない。

 H.モーザー〈エンデバー・ミニッツリピーター シリンドリカル トゥールビヨン スケルトン コズミックレイン〉は、複雑機構、スケルトン、そして工芸的なダイアル表現を高い次元で融合した一本だ。美的完成度という観点だけで見れば、今回の候補作の中でも際立った存在といえる。

 今年のMechanical Exception部門は、とにかく強い時計が揃った。打鐘、天文、超薄型、伝統製法、特殊表示。候補作それぞれが、まったく異なる方向から機械式時計の限界を押し広げている。だからこそ、どこに評価軸を置くかによって結果は大きく変わるだろう。

 そして、この部門を制する一本は、単なる複雑時計の頂点ではない。現代の機械式時計が到達した、ひとつの「極点」を示す存在になるはずだ。

◎本命

ブランパン〈グランド ダブル ソヌリ〉

 ブランパンは久々のGPHG復帰であり、最強の刺客を送り込んできた。単にグランドソヌリを作ったのではなく、4音・4ハンマーで2種類の旋律を選択できる点が凄い。オリジナルメロディまで奏でるチャイム機構は、「Mechanical Exception」という部門名に極めてよく当てはまる。

 さらに、グランドソヌリ、プチソヌリ、ミニッツリピーターだけでなく、フライングトゥールビヨンとパーペチュアルカレンダーまで完全一体型キャリバーに組み込んでいる。独自性のみならず、技術の「量」でも圧倒的。まさに力と技を兼ね備えた「横綱相撲」といった強さである。今年の候補の中でも、頭ひとつ抜けた存在感がある。

○ 対抗
フェルディナント・ベルトゥー〈ネソンス・ドゥンヌ・モントゥル3〉

 この部門は「機械そのものの独創性」を競う場だが、その製作過程までを視野に入れれば、これほど独創的な時計はない。タイム・イーオン財団の理念のもと、デジタル支援を一切排し、歴史的な工作機械と職人の手・目・勘のみで一本の腕時計を作り上げるという、業界でも他に類を見ない挑戦である。しかもその手作業でCOSC認定という現代の精度基準までクリアしている。

 フェルディナ・ベルトゥーは2016年に〈FB1〉でアギュイユ・ドール(最高賞)を受賞した実績があり、審査員からの信頼も篤い。それにしても、ショパール共同社長でもあるカール – フリードリッヒ・ショイフレが送り出す時計は強い。彼はまさに「ミスターGPHG」である。他部門での複数受賞が気になるポイント。

▲穴

コンスタンチン・チャイキン〈ThinKing Mystery〉

 これはまさに「穴」と呼ぶべき時計だ。ケース厚1.65mmという極限の薄さそのものだけなら、単なる記録競争と見られる可能性がある。しかしチャイキンは、薄くするために既存部品を削っただけではなく、調速機構を水平方向に展開した。歯で噛み合う2枚のホイールによるダブルバランスによって、時計の構造そのものを変えている。さらに、その限界的な薄さの中に透明サファイアディスクによる「ミステリー表示」まで加えている。

 審査員が、「最も複雑な時計」ではなく「今年もっとも新しい考え方を見せた時計」を選ぶなら、一気に浮上する可能性がある。

※本稿の予想はRevolution Japan編集部による独自の見解であり、GPHGの審査結果とは一切関係ありません。

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Brand:Blancpain, Chopard, CHRISTIAAN VAN DER KLAAUW, Ferdinand Berthoud, H. Moser & Cie., Konstantin Chaykin

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