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ダニエル・ロートが甦らせる伝統、「ギルト文字盤」の美

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〈エクストラ プラット ローズゴールド ギルト〉
ギルト文字盤は、黒地に金色のインデックスを印刷したものと思われがちだが、実はそうではない。本来は、文字盤を黒く仕上げる前に数字や文字となる部分を保護し、最後に下地の金属を浮かび上がらせる技法である。ダニエル・ロートは、その伝統的な手法を現代によみがえらせた新作〈エクストラ プラット ローズゴールド ギルト〉を発表した。

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Daniel Roth Unveils the Extra Plat Rose Gold Gilt With a True Gilt Dial

ダニエル・ロートが甦らせる伝統、「ギルト文字盤」の美

〈エクストラ プラット ローズゴールド ギルト〉

ギルト文字盤は、黒地に金色のインデックスを印刷したものと思われがちだが、実はそうではない。本来は、文字盤を黒く仕上げる前に数字や文字となる部分を保護し、最後に下地の金属を浮かび上がらせる技法である。ダニエル・ロートは、その伝統的な手法を現代によみがえらせた新作〈エクストラ プラット ローズゴールド ギルト〉を発表した。

by Revolution Japan . Sep 20, 2026

 ギルト文字盤の魅力は、そのブラックとゴールドのコントラストである。漆黒の闇から浮き出すような金色のインデックスの輝きが美しい。これは黒地に金色の要素を後付けしたものと思われがちだが、本来のギルト文字盤はそうではない。

 金属製の文字盤を黒く仕上げる際、数字や文字となる部分を覆っておき、最後にその下にある金属を見せることで表示をつくるのである。ダニエル・ロートの新作〈エクストラ プラット ローズゴールド ギルト〉は、そんな伝統的な技法を現代によみがえらせた一本だ。

▲ダニエル・ロートの新作〈エクストラ プラット ローズゴールド ギルト〉。ブラックとローズゴールドの組み合わせが、独特のダブルエリプスケースを引き立てている。

金色を印刷するのではなく、金を見せる

 今回の新作で最も注目したいのは、その名前にもなっているギルト文字盤である。一般的な文字盤は、仕上げを施した表面に数字やブランド名などを印刷する。それに対して本作では、ソリッドゴールド製の文字盤を土台に使い、ローマ数字、ブランド名、個体番号となる部分だけをニスで覆って保護する。

 その後、文字盤に何度も電気メッキ処理を施し、表面を深いブラックへ仕上げていく。黒の濃さは一度の処理で決まるわけではない。時間や温度、その日の環境にも左右されるため、職人が状態を確認しながら理想的な色へ近づけていく。

 最後に保護用のニスを取り除くと、下に隠れていたゴールドが現れる。つまり、数字や文字を金色で加えているのではなく、文字盤そのものの金を残しているのである。

 そのため、ローマ数字やブランド名は、黒い文字盤の奥から浮かび上がってくるように見える。平面的な印刷では生み出せない、自然な奥行きと輝きが特徴だ。

▲ローマ数字やブランド名、個体番号となる部分をニスで覆う。位置合わせは100分の1mm単位で行われる。

手作業のギョーシェが表情を生む

 文字盤には、細い縦線を並べたピンストライプ状のギョーシェ模様が施されている。昔ながらのローズエンジン旋盤を使い、ひとりの職人が手作業で彫り上げるもので、完成までに数日を要することもあるという。

 この細かな彫り模様の上にブラックの仕上げを重ねることで、文字盤には繊細な陰影が生まれる。正面から見ると落ち着いたブラックだが、手首を動かすと光が細い溝に反射し、黒の濃淡が静かに変化する。

 そこへ、文字盤の下から現れたローズゴールドのローマ数字や文字が重なる。ブラックとゴールドという分かりやすい組み合わせでありながら、実際には複数の層と細かな手仕事によってつくられているのである。

▲マスキングを取り除くと、下にあるゴールドのローマ数字や文字が姿を現す。金色を印刷するのではなく、もともとの素材を見せる技法だ。理想的な色に達したかどうかは、職人の目で判断する。

ローズゴールドとブラックの組み合わせ

 ケースには5Nローズゴールドを採用した。サイズは縦38.6mm、横35.5mm、厚さ7.7mm。ダニエル・ロートを象徴する、ふたつの楕円を重ねたような「ダブルエリプス」と呼ばれる形を受け継いでいる。

 温かみのあるローズゴールドケースに、ブラック文字盤とブラックのカーフレザーストラップを合わせた。落ち着いた色使いだが、ケースの曲線やギルト表示が光を受けることで、手元にはしっかりとした存在感が生まれる。

 表示は時と分のみ。装飾の多さで目を引くのではなく、文字盤の素材や仕上げ、ケースの形をじっくり楽しむ時計である。

 風防には反射防止コーティングを施したフラットなサファイアクリスタルを使用。裏側にもサファイアクリスタルを備え、ムーブメントを見ることができる。防水性能は30mである。

▲ケースサイズは縦38.6mm、横35.5mm。厚さは7.7mmに抑えられ、ドレスウォッチらしい薄さに仕上げられている。

ケースに合わせてつくられたキャリバーDR002

 搭載するのは、手巻きキャリバーDR002である。ミシェル・ナバスとエンリコ・バルバシーニの監修のもと、ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトンで開発、組み立てられた。

 DR002は薄型のダブルエリプスケースにきれいに収まるよう、専用に設計されている。ムーブメントの形そのものがケースと調和している点も、この時計の大きな特徴だ。

 サイズは31×28mm、厚さは3.1mm。143個の部品と21石で構成され、毎時2万8800振動の4Hzで作動する。時計を完全に巻き上げた状態で、約65時間動き続ける。

 ケースバックからは、ストライプ模様を施したブリッジや、手作業で磨かれたエッジを見ることができる。ブリッジが内角で交わる角まで丁寧に仕上げられており、薄型でシンプルなムーブメントの中に、ダニエル・ロートらしい職人技が凝縮されている。

 ゼンマイを巻き上げる機構には、細長い形をしたバークリックを採用した。見た目だけでなく、リューズを巻いたときの感触にもこだわっている。

▲ダブルエリプスケースに合わせて設計された手巻きキャリバーDR002。約65時間のパワーリザーブを備える。

 ダニエル・ロートは2023年、ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトンの支援を受けて復活した。創業者ダニエル・ロートが築いた時計の形や伝統的な技法を大切にしながら、ムーブメントを含めて現代の時計としてつくり直している。

 〈エクストラ プラット ローズゴールド ギルト〉も、一見するとシンプルな2針のドレスウォッチである。しかし、その黒い文字盤の下にはソリッドゴールドが隠れ、ひとつひとつの表示が手間のかかる工程から生まれている。

 金色を加えるのではなく、金を残す。ギルト文字盤の本来の魅力を、ダニエル・ロートらしい端正なデザインで表現した新作である。

Tech Specs

ダニエル・ロート〈エクストラ プラット ローズゴールド ギルト〉 リファレンス:DBBD04A1 ムーブメント:手巻き、キャリバーDR002 パワーリザーブ:約65時間 振動数:毎時2万8800振動(4Hz) ケース:5Nローズゴールド ケースサイズ:38.6×35.5mm ケース厚:7.7mm ケースバック:サファイアクリスタル 文字盤:ソリッドゴールド、ブラック仕上げ、ピンストライプ・ギョーシェ、ギルト技法によるローズゴールドの表示 ストラップ:ブラックカーフレザー 防水性能:30m 価格:5万5500スイスフラン(税別)

Brands:Daniel Roth・

Brand:Daniel Roth, Rolex

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