新興にも関わらず、ジュネーブ・シール、COSC、ジュネーブ天文台によるクロノメーター認定をすべて取得。現在、最もホットなブランドのひとつだといえるジュネーブの独立系ブランド、アコールが〈ルタン・エキリブル〉に新たな2モデルを追加した。ダイヤルに採用されたのは、約35億年前まで歴史を遡るストロマトライトと、ミャンマー北部の限られた地域でのみ産出されるマウシットシット。ふたつとして同じ表情を持たない天然石を、ブランドを象徴する“浮遊ダイヤル”の中心に据えた意欲作である。。
AKHOR Brings Earth’s Deepest Memories to the Dial with Stromatolite and Maw Sit Sit
話題のブランド、アコール〈ルタン・エキリブル〉天然石仕様
新興にも関わらず、ジュネーブ・シール、COSC、ジュネーブ天文台によるクロノメーター認定をすべて取得。現在、最もホットなブランドのひとつだといえるジュネーブの独立系ブランド、アコールが〈ルタン・エキリブル〉に新たな2モデルを追加した。ダイヤルに採用されたのは、約35億年前まで歴史を遡るストロマトライトと、ミャンマー北部の限られた地域でのみ産出されるマウシットシット。ふたつとして同じ表情を持たない天然石を、ブランドを象徴する“浮遊ダイヤル”の中心に据えた意欲作である。
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by Revolution Japan. Sep 3, 2026 |
ひとつとして同じ表情のない天然石
ジュネーブの独立系ブランド、アコールが〈ルタン・エキリブル〉に新たな2モデルを追加した。採用されたのは、約35億年前まで歴史を遡るストロマトライトと、ミャンマー北部の限られた地域でのみ産出されるマウシットシット。色を加えるための装飾石ではなく、“素材そのものが持つ物語”を時計の中心に据えた新作である。2025年にジュネーブで誕生したアコール(AKHOR)は、独立系ブランドとしては異例ともいえるスピードで存在感を高めている。
ブランドを象徴するのは、特許取得済みの2層構造によって生み出される“浮遊ダイヤル”と、自社開発の手巻きキャリバーAK-10だ。Revolution Japanでも以前紹介したように、キャリバーAK-10はジュネーブ・シールに加え、COSCとジュネーブ天文台によるクロノメーター認定を取得している。
今回、その〈ルタン・エキリブル〉に加わったのが、天然石を上層ダイヤルに用いた2つの新作である。選ばれたのはレッド・ストロマトライトとマウシットシット。アコールが求めたのは均質にコントロールされた色ではなく、ひとつとして同じ表情を持たない天然素材そのものだった。

約35億年の時間を刻むストロマトライト
レッド・ストロマトライトは、単に珍しい石というだけではない。ストロマトライトとは、シアノバクテリアなどの微生物活動によって層状に形成された構造体で、その起源はおよそ35億年前まで遡るとされる。
化石化したストロマトライトには、長い年月をかけて積み重なった層が縞模様として残る。ブラウン、オーカー、キャラメル、チャコールを思わせる複雑な模様は、一枚一枚が異なる。
時計という存在そのものが「時間を測る道具」だとすれば、数十億年単位の時間を内包する素材をそのダイヤルに使うという発想には、いかにも独立系ブランドらしい自由さがある。
アコールはこれを「世界最古のカレンダーを身に着けることに等しい」と表現する。レッド・ストロマトライト仕様では、39mm径、11mm厚のK18RG製ケースを採用。天然のレッド・ストロマトライトを上層ディスクに使用し、下層にはホワイトベースとK18RG製インデックスを組み合わせる。

鮮烈なグリーンを持つマウシットシット
一方のマウシットシットは、鮮やかなグリーンが印象的な鉱物だ。産地はミャンマー北部カチン州、ヒマラヤ山脈の麓にあるマウシットシット村周辺に限られるという。1963年にスイスの宝石学者エドゥアルト・ギュベリンによって宝石学的に記述された、比較的新しく知られるようになった素材でもある。
濃密なグリーンの中を暗色の筋が走り、原石ごとに全く異なる風景を描き出す。加工の難易度も高く、産出量そのものが少ないうえ、宝石研磨に適した素材が職人の手に渡る機会も限られているという。
こちらはステンレススティール製39mmケースとの組み合わせ。上層ダイヤルには天然のマウシットシットを使い、下層ダイヤルはホワイトベースにニッケル製インデックスを配する。白いアリゲーターストラップとのコントラストもあり、ストロマトライト仕様とは大きく異なる軽快な表情を見せている。

石を“貼る”のではなく、ダイヤルそのものにする
この2本でもうひとつ興味深いのが、天然石の加工方法だ。一般的な装飾石のセッティングとは異なり、アコールでは原石をわずか数十分の1mmという薄さまで削り込み、それ自体をダイヤルディスクとして仕上げる。
当然、素材が薄くなるほど破損のリスクは高まる。内部の筋や目に見えない応力、加工時のわずかな圧力差だけでもディスクが割れる可能性があり、完成品を得るまでには複数のディスクが失われるという。
完成した石のディスクは、〈ルタン・エキリブル〉の特徴である2層式ダイヤルの上層部へ組み込まれる。この構造は上下2枚のディスクの間に空間を設け、上層を宙に浮いているかのように見せる特許取得済みのシステムである。

キャリバーAK-10はジュネーブ・シール+2つのクロノメーター認定
両モデルを駆動するのは、既存の〈ルタン・エキリブル〉と同じ手巻きキャリバーAK-10。振動数は毎時2万8800振動=4Hz、パワーリザーブは約60時間。117個の部品から構成される。
さらにジュネーブ・シール、COSC認定クロノメーター、ジュネーブ天文台認定クロノメーターという3つの認証を取得する。これらの認証は一部の特別モデルだけではなく、アコールがすべての時計に求める品質基準として位置付けられている。
新興ブランドでありながら、アコールは外装デザインだけで個性を主張するのではなく、ムーブメントの出自や仕上げ、精度に至るまで、“ジュネーブ製高級時計”としての確かな基盤を築こうとしている。そこに、このブランドが注目を集める理由がある。
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機械式時計は本来、同じモデルであれば均質な仕上がりが求められるものだ。しかし今回の〈ルタン・エキリブル〉は、その精密なものづくりの中に、天然素材ならではの偶然性を持ち込んだ。ダイヤルに用いられる石は、ひとつとして同じ表情を持たない。
精密さを極めようとする機械と、人の手では完全には制御できない自然。その対照的な二つをひとつの時計の中で共存させたところに、今回の〈ルタン・エキリブル〉ならではの面白さがある。
Tech Specs:
AKHOR〈ルタン・エキリブル〉ストロマトライト & マウシットシット ムーブメント:手巻きキャリバーAK-10、4Hz(毎時2万8800振動)、約60時間パワーリザーブ 機能:時・分・秒 ダイヤル:2層構造。上層:天然マウシットシット、手作業による切削・研磨。下層:ホワイトベース、K18RG製またはニッケル製インデックス ケース:ステンレススティール、39mm径×11mm厚、サファイアクリスタル、3気圧/30m防水 ストラップ:ホワイト・スクエアスケール・アリゲーター、K18RG製また ステンレススティール製フォールディングバックル 認証:ジュネーブ・シール、COSC認定クロノメーター、ジュネーブ天文台認定クロノメーター
Brands:Akhor
※アコールの女性創業者アニッサ・バデールのインタビューはこちら
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