GPHG(ジュネーブ時計グランプリ)は、時計業界で最も権威あるアワードとして知られる。その中でもTime Only部門は、時・分・秒だけを表示する最もシンプルな時計だけが競うカテゴリーだ。複雑機構を持たないからこそ、ごまかしは利かない。ケースのプロポーション、ダイアルデザイン、ムーブメントの完成度、仕上げ、そしてブランドの哲学――時計メーカーの実力が最もストレートに表れる部門と言っても過言ではない。2026年は、世界中からエントリーされたモデルの中からGPHGアカデミーの投票によって6本が選出された。伝統的なドレスウォッチから現代的なスポーツウォッチまで、その顔ぶれは実に多彩だ。今回は各モデルの特徴を紹介するとともに、Revolution Japanとして受賞予想も行ってみたい。
GPHG 2026 Predictions: Time Only — Which Is the World’s Best Three-Hand Watch?
GPHG 大予想——Time Only部門「世界最高の3針時計はどれか?」
GPHG(ジュネーブ時計グランプリ)は、時計業界で最も権威あるアワードとして知られる。その中でもTime Only部門は、時・分・秒だけを表示する最もシンプルな時計だけが競うカテゴリーだ。複雑機構を持たないからこそ、ごまかしは利かない。ケースのプロポーション、ダイアルデザイン、ムーブメントの完成度、仕上げ、そしてブランドの哲学――時計メーカーの実力が最もストレートに表れる部門と言っても過言ではない。2026年は、世界中からエントリーされたモデルの中からGPHGアカデミーの投票によって6本が選出された。伝統的なドレスウォッチから現代的なスポーツウォッチまで、その顔ぶれは実に多彩だ。今回は各モデルの特徴を紹介するとともに、Revolution Japanとして受賞予想も行ってみたい。
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by Revolution Japan. Sep 15, 2026 |
- Time Only部門とは?
- Nominee #1——BVLGARI Octo Finissimo 37 Satin-Polished Titanium
- Nominee #2——CHOPARD L.U.C 1860
- Nominee #3——LAURENT FERRIER Classic Origin Beige
- Nominee #4——Naoya Hida & Co. NH Type8A
- Nominee #5——PARMIGIANI FLEURIER Toric Petite Seconde
- Nominee #6——Piaget Polo 79 Sodalite Watch
- Revolution Japanの予想
Time Only部門とは?
Revolutionファウンダー、ウエイ・コーが審査委員長に就任した2026年から、GPHGは部門構成を見直し、Time Only部門を明確に位置付けた。対象となるのは、
・時分のみ、または時分秒表示
・ソリッドダイアル
・複雑機構なし
・ジェムセッティングなし
・ワンオフ作品は対象外
という極めてオーソドックスな時計である。だからこそ評価されるのは、ケースデザイン、ダイアル、ムーブメントの美しさ、装着感といった時計そのものの完成度だ。
最も単純な部門だけに、最も多くの時計がひしめき合う部門でもある。ここを制することは、時計という世界の頂点に、シンプルに君臨することを意味する。

Nominee #1——BVLGARI Octo Finissimo 37 Satin-Polished Titanium
ブルガリ〈オクト フィニッシモ 37 Mm ウォッチ〉
〈オクト フィニッシモ 37 Mm ウォッチ〉は、シリーズの象徴的な超薄型デザインを37mmへ凝縮したモデルだ。グレード5チタンにサテンポリッシュ仕上げを施し、40mmモデルの個性を受け継ぎながら、より幅広い腕に馴染むサイズへと進化した。
新開発Cal.BVF100は、3年をかけて開発された小型ムーブメント。従来比で20%小型化しながら、パワーリザーブは約72時間へ向上。コート・ド・ジュネーブやペルラージュによる手仕上げも施されている。
従来のスペック追求主義から一服、デイリーに着用できる〈オクト フィニッシモ〉を目指して開発された。

Tech Specs
ブルガリ〈オクト フィニッシモ 37 Mm ウォッチ〉ケース素材:チタン ブレスレット:サテンポリッシュ仕上げのチタン バックル:フォールディングバックル
ダイアル:サンドブラスト仕上げのチタン 防水性能:30m ケースサイズ:37×42.60mm 厚さ:6.45mm ムーブメント:自動巻きCal.BVF100、約72時間パワーリザーブ、毎時2万1600振動 機能:時・分・秒表示 リファレンス:104351 発売時期:2026年9月 価格 15,700スイスフラン(税込)

Nominee #2——CHOPARD L.U.C 1860
ショパール〈L.U.C 1860 クロノメーター〉
ショパール〈L.U.C 1860 クロノメーター〉は、フルリエのショパール マニュファクチュール創設30周年を記念するモデル。初代〈L.U.C 1860〉の精神を受け継ぎながら、30年にわたる技術的進化を取り入れている。
ケース径は36.5mmで、素材にはLucent Steel™を採用。18Kホワイトゴールド製のアルーズ・ブルー・ダイアルには、職人の手作業によるサンバースト状のギヨシェを施し、6時位置にはスモールセコンドを配置。あえて日付表示を省くことで、端正で純粋なデザインに仕上げた。
ムーブメントは自動巻きCal.L.U.C 96.40-L。厚さ3.30mmの薄型設計に22Kゴールド製マイクロローターとツインバレルを備え、約65時間のパワーリザーブを実現する。ジュネーブ・シールとCOSCクロノメーター認定も取得している。
マニュファクチュールとしてのショパールの覚悟を表した歴史的モデルの最新版である。

Tech Specs
ケース素材:ステンレススティール ストラップ:レザー バックル:ピンバックル ダイアル:ゴールド製ベース、サンバーストのハンドギヨシェ仕上げ 防水性能:30m ケース径:36.50mm 厚さ:8.20mm ムーブメント:自動巻きCal.L.U.C 96.40-L、約65時間パワーリザーブ、毎時2万8800振動、ジュネーブ・シール 機能:時・分表示、スモールセコンド 認定:COSCクロノメーター リファレンス:168860-3005 発売時期:2026年2月 価格 24,500スイスフラン(税込)

Nominee #3——LAURENT FERRIER Classic Origin Beige
ローラン・フェリエ〈クラシック オリジン ベージュ〉
バランスと普遍性を重んじるローラン・フェリエの哲学を体現する〈クラシック オリジン ベージュ〉は、40mmのガレ型ケースを5Nレッドゴールドで仕立て、上品なベージュオパーリンダイアルを組み合わせている。
ムーブメントは手巻きCal.LF 116.01で、サファイアクリスタル製ケースバック越しに鑑賞可能。ローラン・フェリエを象徴するロングブレード・ラチェット機構を備え、滑らかな巻き上げ感と独特の作動音を楽しめる。ムーブメントの各部品は自社工房で丹念に手仕上げされ、伝統的なオートオルロジュリーへの揺るぎない姿勢が表れている。
Tech Specs
ケース素材:プラチナ ストラップ:レザー バックル:ピンバックル ダイアル:ハンドハンマー仕上げのホワイトゴールド製ダイアル 防水性能:30m ケース径:40.6mm 厚さ:8.8mm ムーブメント:手巻き、約60時間パワーリザーブ、毎時2万8800振動 機能:時・分・秒表示 リファレンス:PFC940-2010006-300181 発売時期:2026年5月 限定:30本 価格:75,000スイスフラン

Nominee #4——Naoya Hida & Co. NH Type8A
ナオヤ・ヒダ&コー〈NH TYPE8A〉
〈NH TYPE8A〉は、直径31mm。ナオヤ・ヒダ&コーが長年温めてきた“小径ドレスウォッチ”を形にしたモデルである。ブランドを率いる飛田直哉は、1990年代からパテック フィリップ Ref.96やブレゲ Ref.3210のような小ぶりで端正な時計に惹かれてきた。
その実現を後押ししたのが、2024年の〈NH TYPE5〉で採用した小型ムーブメントの開発だった。そこで得た経験をもとに、31mmケースに新開発の手巻きCal.2326SSを搭載。サファイアクリスタル製シースルーバックとドーム型風防を備えた3ピース構造とし、ダイアルの数字はブランドを象徴する手彫りで仕上げている。
最新の加工技術と職人の手仕事を融合させながら、クラシックな小径時計を現代的に再構築した一本だ。

Tech Specs
ケース素材:ステンレススティール ストラップ:レザー バックル:ピンバックル ダイアル:洋銀製、ビーズブラスト仕上げ 防水性能:50m ケース径:31mm 厚さ:8.9mm ムーブメント:手巻き、約38時間パワーリザーブ、毎時2万1600振動 機能:時・分・秒表示 リファレンス:NH TYPE8A 発売時期:2026年4月 価格 18,000スイスフラン(税込)
Nominee #5——PARMIGIANI FLEURIER Toric Petite Seconde
パルミジャーニ・フルリエ〈トリック プティ・セコンド〉
〈トリック プティ・セコンド〉は、パルミジャーニ・フルリエの哲学を純粋な形で体現したモデルである。18Kホワイトゴールド製のダイアルには、ハンマー仕上げによる繊細な表情を持つ「モーニングブルー」を採用し、静かで奥行きのある美しさを演出している。
ケースはプラチナ製で、コレクションを象徴するローレット仕上げのベゼルを採用。さらに、ケースバックにも同様のローレット装飾を施し、〈トリック〉ならではの意匠を際立たせた。
搭載する手巻きムーブメントは、18Kローズゴールド製の2枚の大型ブリッジを備え、ダブル・ハンドギヨシェで仕上げられる。手巻きならではの巻き上げの所作も、この時計が大切にする時間との対話の一部だ。世界限定30本で、1から30までのシリアルナンバーが刻まれる。

Tech Specs
ケース素材:プラチナ ストラップ:レザー バックル:ピンバックル ダイアル:18Kホワイトゴールド製、ハンドハンマー仕上げ 防水性能:30m ケース径:40.6mm 厚さ:8.8mm ムーブメント:手巻き、約60時間パワーリザーブ、毎時2万8800振動 機能:時・分・秒表示 リファレンス:PFC940-2010006-300181 発売時期:2026年5月 現定:世界30本 価格:75,000スイスフラン(税込)

Nominee #6——Piaget Polo 79 Sodalite Watch
ピアジェ〈ポロ 79 ソーダライト〉
ピアジェ〈ポロ 79〉は、これまでもさまざまな素材や配色で展開されてきた。イエローゴールド、ホワイトゴールド、そしてツートーン仕様に続き、今回はメゾンを象徴する装飾石を取り入れた新作が登場する。これまでオニキスやラピスラズリを採用してきたが、今回は現行コレクションとして初めて、鮮やかなブルーのソーダライトを用いている。鉱物ならではの表情が、ピアジェを象徴するゴドロン装飾をいっそう際立たせる。
ケース径は38mm。ケース、ダイアル、ブレスレットはいずれもロジウム仕上げの18Kホワイトゴールド製で、ブルーソーダライトのダイアルには約2.8カラットの石を使用。ゴドロンとサテン仕上げのゴールドパーツを交互に配したピアジェらしいデザインを採用し、ブレスレットはケースと一体化されている。ムーブメントは自動巻きCal.1200P1で、グレーコーティングを施した22Kゴールド製マイクロローターを備える。

Tech Specs
ケース素材:ホワイトゴールド ブレスレット/ストラップ:ホワイトゴールド バックル:バタフライクラスプ ダイアル仕上げ:ソーダライト 防水性能:50m サイズ:直径38mm 厚さ:7.45mm ムーブメント:超薄型自動巻きムーブメント
パワーリザーブ:約44時間、毎時2万1600振動 機能:時・分表示 リファレンス:G0A51151 発売時期:2026年4月 価格:8万4500スイスフラン(税込)
Revolution Japanの予想
Time Only部門は、審査基準が明快で、誰もが「どういう部門なのか」を即座に理解できる。複雑機構に頼れないぶん、ケース、ダイアル、ムーブメント、装着感といった時計そのものの完成度が最もストレートに問われるカテゴリーだ。
しかし、シンプルだからこそ、実は最も予想が難しい部門のひとつである。王道のショパール、美しさのローラン・フェリエ、先進性のブルガリ、小径時計の価値を再提示するナオヤ・ヒダ&コーと、それぞれ評価軸が大きく異なる。本命はショパールと見るが、ブルガリの革新性、ナオヤ・ヒダ&コーの独自性も侮れない。パルミジャーニは全3部門でノミネートされており他に有力候補がいること、ピアジェは同型のモデルが過去に受賞していることを鑑み外した。
◎ 本命
ショパール〈L.U.C 1860 クロノメーター〉
端正なデザイン、時代的にちょうどいいサイズ、ジュネーブシールとCOSC認定を受けたムーブメントなど、全方位スキがない。この時計のことを「嫌いだ」という時計ファンはいないと思う。過去のGPHGでは、〈L.U.C〉シリーズは圧倒的な強さを見せている。また2026年はL.U.C発売30周年にもあたり、記念受賞もあるのでは? ショパールは今年最多の6部門にノミネートされており、今年のGPHGを席巻することは間違いない。ただし、他部門や過去での受賞が鑑みられる可能性はある。
○ 対抗
ブルガリ〈オクト フィニッシモ 37 Mm ウォッチ〉
2026年のブルガリは勢いがある(先日GWDで発表されたヴィアネイ・ハルターとのコラボも絶賛された)。LVMHをバックにした資金力が著しい。数々の最薄記録を打ち立ててきた〈オクト フィニッシモ〉は、ブルガリの記録挑戦のための時計と捉えられがちだったが、37mmという実用的なサイズを得て、デイリー使いにもぴったりな一本となった。新型ムーブメントBVF100も評価される可能性は高い。先進性・ファッション性ならダントツ一番、逆にオーソドキシーが選考基準となると辛い。
▲ 穴
ナオヤ・ヒダ&コー〈NH Type8A〉
31mmという大胆な小径ケース、新開発の手巻きCal.2326SS、そして手彫りの数字。大型化を続けてきた現代時計を、機械式黄金時代の「標準サイズ」に戻そうという意思とセンスが感じられる。パテック フィリップ Ref.96などに通じる小径ドレスウォッチの価値を改めて提示している。海外での知名度とリスペクトは日本人が思っている以上に高い。また今年の審査員には日本人がふたりいて、日本ブランドにとっては追い風である。受賞すれば快挙であるが、年間生産数20がどう見られるか。
※この予想はRevolution Japanが独断と偏見で論じているものであり、審査とはなんの関係もありません。
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