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Revolution Awards 2025:ブランド・オブ・ザ・イヤー

Editorial

2025年、最も輝いたブランドは一つではなかった。250周年を迎えたブレゲと270周年を迎えたヴァシュロン・コンスタンタン。伝統を守るだけでなく、新たな歴史を刻んだ2つの名門が、「ブランド・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。

Editorial

Revolution Awards 2025: Brand of the Year — Breguet and Vacheron Constantin

Revolution Awards 2025:ブランド・オブ・ザ・イヤー

ブレゲ ヴァシュロン・コンスタンタン

2025年、最も輝いたブランドは一つではなかった。250周年を迎えたブレゲと270周年を迎えたヴァシュロン・コンスタンタン。伝統を守るだけでなく、新たな歴史を刻んだ2つの名門が、「ブランド・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。

by Wei Koh . Jan 27, 2026

ブレゲは再び、時計技術の最前線へ

 2025年のブランド・オブ・ザ・イヤーは、2ブランドが同時受賞となった。創業250周年を迎えたブレゲと、270周年を迎えたヴァシュロン・コンスタンタンである。

 まずはブレゲから見ていこう。

 時計史において最も偉大な人物のひとりといえば、間違いなくアブラアン-ルイ・ブレゲである。世界初の自動巻き時計、ゴング・スプリング式ミニッツリピーター、トゥールビヨン、そして時計と置時計が連動する革新的な〈シンパティーク〉など、時計製造の歴史を塗り替える数々の発明を生み出した。

 しかし、これらは彼が成し遂げた偉業のほんの一部にすぎない。その名を冠したブレゲもまた、250年にわたる歴史の中で、数々の栄光と試練を経験しながら今日まで歩み続けてきたのである。

1783年にアブラアン-ルイ・ブレゲが発明したゴング・スプリング(©Revolution)

 特に1975年から1988年にかけての、いわゆるクォーツショックの時代とその直後は、ブレゲにとって大きな転換期となった。ブランドは機械式複雑時計を復活させ、自らの輝かしい歴史を現代によみがえらせたのである。

 さらに、ニコラス G.ハイエックがブランドを率いるようになると、新たな時代が幕を開ける。〈トラディション〉コレクションの発表や、伝説の懐中時計〈マリー・アントワネット〉の復元など、ブレゲの歴史を未来へつなぐ数々のプロジェクトが実現した。

 その後、マーク A.ハイエックのもとでは、世界初の磁気ピボットを採用した〈クラシック クロノメトリー 7727〉を発表。国際クロノメトリーコンクール(Concours International de Chronométrie)でも歴代最高レベルの性能を示し、現代を代表する高精度機械式時計のひとつとして高く評価されている。

左:オリジナルの〈マリー・アントワネット〉懐中時計 Ref.160。右:盗難に遭ったオリジナルへのオマージュとして製作され、細部まで忠実に再現されたブレゲ Ref.1160(©Revolution)

世界初となる磁気ピボット機構を採用し、磁力によってテンワの軸を安定させることで、機械式時計の精度を大幅に向上させた〈クラシック クロノメトリー 7727〉

 しかし近年のブレゲは、その輝かしい歴史に比べると、やや存在感を失っていたことも否めない。そんな状況を大きく変えたのが、レイナルド・エシュリマンとニック・ハイエック・ジュニアの要請を受け、グレゴリー・キスリングがCEOに就任したことだった。

 就任からわずか1年で、キスリングは驚くべき成果を上げている。歴史的モデル〈スースクリプション〉を現代によみがえらせ、GPHG(ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ)最高賞を獲得。

 さらに、〈タイプ XX〉を現代的に刷新するとともに、新たな技術開発部門「エクスペリメンタル」を立ち上げ、その第1弾として、磁気コンスタントフォース脱進機を搭載した意欲作〈エクスペリメンタル 1〉を発表した。ブレゲは再び、時計技術の最前線へと歩み始めているのである。

ブレゲ創業250周年を記念して発表された〈クラシック スースクリプション〉(©Revolution)

ブレゲ〈タイプ XX 2075〉(©Revolution)

筆者ウェイ・コーの腕元で存在感を放つブレゲ〈エクスペリメンタル 1〉。オープンワーク構造と磁気コンスタントフォース・トゥールビヨンを堪能できる(©Revolution)

充実のヴァシュロン・コンスタンタン

 もうひとつの受賞ブランドは、ヴァシュロン・コンスタンタンである。

 創業270周年を迎えた2025年は、もともと大きな期待が寄せられていた。というのも、前年には世界で最も複雑な懐中時計〈レ・キャビノティエ・ザ・バークレー・グランドコンプリケーション〉を発表し、グランドコンプリケーションの伝統を現代へ受け継ぐブランドとして、その存在感を改めて示していたからだ。

 そして、その期待を裏切ることはなかった。2025年に発表された〈レ・キャビノティエ・ソラリア・ウルトラ・グランドコンプリケーション – ラ・プルミエール -〉は、世界で最も複雑な腕時計という称号を獲得。41もの複雑機構を備えながら、驚くほど直感的で扱いやすい表示を実現し、技術力と実用性を高い次元で両立させた傑作となった。

ヴァシュロン・コンスタンタン〈レ・キャビノティエ・ザ・バークレー・グランドコンプリケーション〉(©Revolution)

ヴァシュロン・コンスタンタン〈レ・キャビノティエ・ソラリア・ウルトラ・グランドコンプリケーション – ラ・プルミエール -〉(©Revolution)

 さらに、Watches and Wondersでは、ヴァシュロン・コンスタンタンは創業270周年を記念する特別コレクションを発表した。なかでも私が最も心を惹かれたのは、41mmケースを採用した〈トラディショナル・コンプリートカレンダー・オープンフェイス〉である。

 そして秋には、その270周年を締めくくるにふさわしい祝祭が開催された。会場は、パリのルーヴル美術館とジュネーブのマニュファクチュール。さらに、時をテーマにしたアート作品《ラ・ケットゥ・デュ・タン(時の探求)》も披露され、その独創的な世界観は私たちを大いに魅了した。

ヴァシュロン・コンスタンタン〈トラディショナル・コンプリートカレンダー・オープンフェイス〉(©Revolution)

時をテーマにしたアート作品《La Quête du Temps(ラ・ケットゥ・デュ・タン「時の探求」》

 さらに年後半には、ホワイトゴールドケースに鮮やかなバーガンディのダイヤルを組み合わせた〈オーヴァーシーズ・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー〉を発表。私にとっても、これまで見てきた時計の中で最も魅力的な一本といえる。

 これだけ話題性に富んだ新作を次々と送り出しながらも、ヴァシュロン・コンスタンタンは一貫してオートオルロジュリーという機械式時計の最高峰を追求し続けている。その揺るぎない姿勢こそ、このブランドの真価なのである。

ヴァシュロン・コンスタンタン〈オーヴァーシーズ・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー〉(©Revolution)

 さらに印象的なのは、ヴァシュロン・コンスタンタンが創業270年を迎えた今も、変わらぬ温かさと親しみやすさを大切にしていることだ。その姿勢はブランドのあらゆる場面に表れている。ブティックでは初めて訪れた人にも分け隔てなく接し、経営陣もまた、誰に対しても開かれた姿勢を貫いている。

 こうした積み重ねがあるからこそ、ヴァシュロン・コンスタンタンは今、かつてないほど充実した時代を迎えているのである。

Brands:BreguetVacheron Constantin

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Brand:Rolex
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