ミニッツリピーターの音、フライングトゥールビヨンの動き、アベンチュリンの輝き。H.モーザーは、複雑機構と星空のような美しさを直径40mmのケースに凝縮した、世界限定20本の特別なモデルを発表した。。
Moser’s Cosmic Rain Brings Sound, Motion and Light Together
H.モーザー、星空を閉じ込めた20本限定の超複雑時計を発表
ミニッツリピーターの音、フライングトゥールビヨンの動き、アベンチュリンの輝き。H.モーザーは、複雑機構と星空のような美しさを直径40mmのケースに凝縮した、世界限定20本の特別なモデルを発表した。
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by Revolution Japan. Jul 18, 2026 |
H.モーザーは、ブランドを代表する複雑機構をひとつにまとめた〈エンデバー・ミニッツリピーター シリンドリカル トゥールビヨン スケルトン コズミックレイン〉を発表した。40mmのチタン製ケースに、ミニッツリピーター、フライングトゥールビヨン、フルスケルトンの手巻きムーブメントを搭載。アベンチュリンとマザー・オブ・パールで作られた小さなダイアルが、星の降る夜空を思わせる幻想的な表情を生み出している。

音を聴き、その動きを目で楽しむ
この時計の見どころのひとつは、現在時刻を音で知らせる「ミニッツリピーター」だ。
ケース側面のスライドボルトを操作すると、異なる音の組み合わせによって、現在の時、15分単位、分を知らせてくれる。暗い場所でも音を聴くだけで時刻を確認できる、機械式時計を代表する高級複雑機構である。
一般的なミニッツリピーターでは、音を鳴らすハンマーやゴングはムーブメントの裏側に置かれることが多い。しかし本作では、それらをダイアル側に配置した。
そのため、時刻を告げる音だけでなく、ハンマーがゴングを叩く様子を眺めることができる。音がどのように生まれるのかを、時計を腕に着けたまま観察できるのだ。
内部の動きがよく見えるように、ムーブメントの構造そのものが見直された。ブリッジや部品をスケルトン加工することによって、機構が何層にも重なり合う様子が浮かび上がる。複雑な機械を隠すのではなく、それらをデザインとして見せる時計である。

星空を描く「コズミックレイン」
精密な機械が広がるダイアルの中で、ひときわ目を引くのが、2時位置に置かれた小さなドーム型ダイアルだ。素材には、内部に細かな銅の結晶を含むアベンチュリンガラスを使用している。光を受けると無数の粒が輝き、星空のように見える。
さらに、薄く切り出したマザー・オブ・パールを、一枚ずつダイアルへ埋め込んでいる。その虹色の輝きがアベンチュリンの光と重なり、夜空に星が降り注ぐような情景を描き出す。
「コズミックレイン」という名前は、この小さなダイアルが表現する景色に由来する。
ミニッツリピーターは音で、トゥールビヨンは動きで、アベンチュリンのダイアルは光で時間を表現する。音、動き、光という3つの要素が、この一本の中で重なり合っている。

立体的に動くトゥールビヨン
6時位置には、1分間で1回転するトゥールビヨンが配置されている。本作では上側に支えるブリッジを持たないフライング構造を採用しているため、その回転を遮るものなく眺められる。
内部には、円筒形ひげゼンマイが組み込まれている。一般的なひげゼンマイが平面状に巻かれているのに対し、こちらはテンプの軸に沿って縦方向へ伸びる立体的な形を持つ。その起源は18世紀の航海用精密時計、マリンクロノメーターにまでさかのぼる。
ひげゼンマイが規則正しく伸び縮みしやすいため、安定した精度が期待できる一方、製造と調整には高度な技術が必要となる。
この円筒形ひげゼンマイは、H.モーザーの姉妹会社であるプレシジョン・エンジニアリング社が製造。一つひとつ手作業で成形している。

415個の部品で構成されたムーブメント
この時計を動かすのは、自社製の手巻きキャリバーHMC 909である。
直径33mm、厚さ9.6mmのムーブメントは、415個の部品と35個の石で構成される。毎時2万1600振動で作動し、ゼンマイを完全に巻き上げた状態から約90時間動き続ける。
メインプレートとブリッジには、H.モーザーを象徴するモーザー・ダブルストライプを施した。それぞれの部品にも手作業による仕上げと装飾が与えられている。
ケースには軽量なチタンを採用。複雑なムーブメントを収めながら時計全体を軽くするとともに、チタンの落ち着いたグレーが、アベンチュリンの深い青とマザー・オブ・パールの輝きを引き立てている。
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ミニッツリピーターとトゥールビヨンを組み合わせるだけでも十分に贅沢だ。しかし、この時計の魅力は、搭載された複雑機構の数だけではない。
音を生み出すミニッツリピーター、回転するトゥールビヨン、星空を思わせる小さなダイアル。それぞれが音、動き、光という異なる方法で時間を表現している。
これほど多くの機構を見せながら、不思議と騒がしさを感じさせない。精密機械を大胆に露出させながら、最後にはポエティックな世界へと着地させる。そこに、H.モーザーのセンスが表れている。
7500万円を超える価格や20本という限定数は、もちろん日常の感覚からは遠い。しかし、こうした時計は実用性や費用対効果だけで判断するものではない。機械式時計が人の目や耳、そして感情にどこまで訴えかけられるのか。その可能性を形にした作品として見るべきだろう。
Techspecs
H.モーザー〈エンデバー・ミニッツリピーター シリンドリカル トゥールビヨン スケルトン コズミックレイン〉 リファレンス:1909-0501 ムーブメント:自社製手巻きキャリバーHMC 909、フルスケルトン、毎時2万1600振動、35石、約90時間パワーリザーブ 機能:時・分表示、ミニッツリピーター、ミニッツフライングトゥールビヨン ケース:チタン製、直径40mm、厚さ14.4mm、サファイアクリスタル製シースルーケースバック ダイアル:フルスケルトン、2時位置にフュメ仕上げとマザー・オブ・パール象嵌を施したドーム型アベンチュリン製サブダイアル ストラップ:グレーのヌバック仕上げアリゲーターレザー、チタン製ピンバックル 限定数:世界限定20本 予定価格:¥75,075,000
Brands:H.Moser
