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GPHG 大予想——チャレンジ部門「86万円以下の手が届く時計」

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GPHG 2026 Predictions: Challenge, Innovation Within Reach

GPHG 大予想——チャレンジ部門「86万円以下の手が届く時計」

独創的な時刻表示、職人技が光るダイアル、機構を楽しむスケルトン。4,500スイスフラン以下という価格の枠内に、多彩な個性が集まったGPHG 2026のチャレンジ部門。「自分で買うならどれか」という視点も交えながら、6本の候補から受賞作を予想する。

by Revolution Japan. Oct 6, 2026

チャレンジ部門とは?

 GPHGのチャレンジ部門は、小売価格4,500スイスフラン(約86万円)以下の時計を対象とする。比較的手の届きやすい価格帯で、各ブランドがどのような時計を作り上げるか。限られた予算の中に込められた工夫や個性を楽しめる部門だ。

 実質的に(筆者も含めた)一般の顧客が、もっとも興味のある部門であろう。超複雑機構や華麗な装飾を「まるで美術館の絵のように」楽しむのもいいが、やはり自分で買うならどれにしようか——そう自己投影するところに時計選びの醍醐味はある。


Nominee #1——BEAUBLEU La Pièce No.2

ボーブルー〈ラ・ピエス No.2〉

 ボーブルーは、デザイナーのニコラス・デュコデール・ファムが2017年にパリで創設した時計ブランド。円形の針を特徴とする独創的なデザインで、時刻を読む行為に新鮮な楽しさをもたらしている。
〈ラ・ピエス No.2〉アルジャンも、その個性を体現する1本だ。円形の秒針を支えるのは、透明なディスク。ディスクとともに回転することで、秒針だけがダイアルの上を浮遊するように見える。
 ダイアルにも独自の工夫がある。パリ造幣局(モネ・ドゥ・パリ)が千年以上にわたり培ってきた貨幣製造の技術を用い、1枚の金属に彫刻と打刻を施して製作。通常は別々に取り付けるインデックスなども、ダイアルと一体に成形されている。
伝統の技で打刻された金属の上を、円形の秒針が軽やかに巡る。〈ラ・ピエス No.2〉アルジャンは、歴史ある職人技と現代的な発想が響き合う時計だ。

Tech Specs

ボーブルー〈ラ・ピエス No.2〉 ケース:ステンレススチール ブレスレット:ステンレススチール バックル:フォールディングバックル ダイアル:一体構造の打刻仕上げ、シルバーカラー ケース径:39mm ケース厚:10.2mm ムーブメント:自動巻き。約46時間パワーリザーブ。毎時2万8800振動 機能:時・分・秒表示 発売:2026年3月 限定:888本 価格:1505スイスフラン(VAT込み)


Nominee #2——BEDA’A Angles Guichets

ベダーア〈アングル・ギシェ〉

  ベダーアは、2016年に誕生したカタール発の時計ブランド。自動車デザイナーのソヘイブ・マグナムがCEOを務めている。幾何学的なケースデザインと独創的な時刻表示で、存在感を高めている。

 地上の時間と天体の運行を結びつける〈アングル・ギシェ〉は、〈アングル〉コレクション初の複雑機構搭載モデルだ。窓を通して24時間を表示し、太陽と月の動きで昼夜の移ろいを伝える。

 上側の窓には、午前6時から午後6時までの固定された時刻目盛りを配置。太陽、続いて月がゆっくりと移動し、昼夜の経過を示す。下側の窓では分表示のディスクが回転し、ダイアル面と同じ高さに設けた細い矢印が読み取り位置を示す。

 ムーブメントは、手巻きのプゾー/ETA製キャリバー7001がベース。輪列を改修し、時表示が12時間ではなく24時間で1周するようにした。約42時間のパワーリザーブとキャリバーの薄さを維持し、ケース厚はわずか6.3mm。手首にバランスよく収まりそうだ。

Tech Specs

ベダーア〈アングル・ギシェ〉Ref. BQAS0526-37 ケース:ステンレススチール ストラップ:レザー バックル:ピンバックル ダイアル:ラッカー仕上げ、アプライドインデックス 防水性能:30m ケースサイズ:37×34mm ケース厚:6.3mm ムーブメント:手巻き。約42時間パワーリザーブ。毎時2万1600振動 機能:時・分表示、昼夜表示  発売:2026年7月 価格:1800スイスフラン(VAT込み)


Nominee #3——FAVRE LEUBA Chief Skeleton

ファーブル・ルーバ〈チーフ・スケルトン〉

 1737年創業のファーブル・ルーバが、ブランド史上初となるフルスケルトンモデル〈チーフ・スケルトン〉を発表した。1970年代のデザインを受け継ぐ40mmのクッション型ケースに、AMT社と共同開発した専用設計のキャリバーFLS01を収める。

 ダイアルを排し、地板やブリッジ、輪列を露出させた構成は、12時位置の一部が見える香箱と、6時位置のテンプを縦軸に据える。幾層にも重なるパーツが、均整の取れた構造の中に豊かな奥行きを生み出している。
 ムーブメントには4N18ゴールド仕上げを施し、外周には鮮やかなブルーのミニッツトラックを配置。香箱のスネイル仕上げ、ブリッジのサンドブラストなど、異なる質感が光を受けて陰影を描いている。

 構造美を追求しながら、100m防水とFKMラバーストラップを備え、日常での使いやすさにも配慮されている。

Tech Specs

ファーブル・ルーバ〈チーフ・スケルトン〉Ref. 00.20105.103.02.302 ケース:ステンレススチール ストラップ:ラバー バックル:ピンバックル ダイアル:スケルトン 防水性能:100m ケースサイズ:40×47.5mm ケース厚:11.76mm ムーブメント:自動巻き、スケルトン仕様。約41時間パワーリザーブ。毎時2万8800振動 機能:時・分表示 発売:2025年9月 価格:3450スイスフラン(VAT込み)


Nominee #4——FRÉDÉRIQUE CONSTANT Classics Moneta Handwinding

フレデリック・コンスタント〈クラシック モネータ ハンドワインディング〉

 フレデリック・コンスタント〈クラシック モネータ ハンドワインディング〉は、2024年に登場した〈クラシック モネータ〉初の機械式モデルだ。38.5mmのケースには、モデル名の由来となったコインの縁を思わせる溝をダイアル外周に配し、伝統的な装飾を意外な場所に取り入れている。
 搭載するのは、ラ・ジュー・ペレ製の手巻きムーブメント。約63時間のパワーリザーブを備え、サファイアクリスタル製のケースバックから、コート・ド・ジュネーブ装飾やブランドの紋章を楽しめる。
 サーモンカラーから外周のブラックへと移ろうグラデーションダイアルに、ドルフィン針と6時位置のスモールセコンドを配置。小さな斑模様のブラックアリゲーターストラップが、1950年代を思わせる表情を引き立てる。世界限定999本。

 Tech Specs

フレデリック・コンスタント〈クラシック モネータ ハンドワインディング〉Ref. FC-435BBL3S6 ケース:ステンレススチール ストラップ:レザー バックル:ピンバックル ダイアル:ブラックからサーモンカラーへのグラデーション 防水性能:50m ケース径:38.5mm ケース厚:10.13mm ムーブメント:手巻き。約63時間パワーリザーブ。毎時2万8800振動 機能:時・分表示、スモールセコンド発売:2026年7月 限定数:世界限定999本 価格:1995スイスフラン(VAT込み)


Nominee #5——SEIKO King Seiko VANAC

セイコー〈キングセイコー VANAC〉

 1972年に登場した〈キングセイコー VANAC〉は、鮮やかな色彩と多面形のデザインで、大胆な個性を示したシリーズだ。新作はその精神を受け継ぎ、チタンを採用。独特の輝きと軽さによって、力強い造形と軽快な装着感を両立している。
 デザインの着想源は、東京の街並みと高速道路。ダイアルには水平線と放射状のパターンを組み合わせ、遠くへ伸びる道路のスピード感と奥行きを表現した。パープルの色調は、朝の光に街が姿を現す静かな夜明けを捉えている。
 ベゼルのないケースと滑らかにつながるブレスレットが、一体感のある外観を作る。精緻な仕上げによるシャープな稜線も特徴だ。自動巻きキャリバー8L45は約72時間のパワーリザーブを備え、日常使いに求められる堅牢性も確保している。

Tech Specs

セイコー〈キングセイコー VANAC〉Ref. HKF001 ケース:チタン ブレスレット:チタン バックル:フォールディングバックル ダイアル:サンレイ仕上げ 防水性能:100m ケース径:41mm ケース厚:14.3mm ムーブメント:自動巻き。約72時間パワーリザーブ。毎時2万8800振動 機能:時・分・秒表示、日付表示発売:2026年7月 価格:3760スイスフラン(VAT込み)


Nominee #6——SPACEONE SpaceOne X Baltic – Seconde Majeure

スペースワン×バルチック〈セコンド・マジュール〉

 フランスの二つの時計ブランドによるコラボ。スペースワンは未来的なデザインと独創的な機構、バルチックはヴィンテージ風なデザインを得意としている。〈セコンド・マジュール〉では、両者の個性がうまく組み合わされている。

 スペースワンのテオ・オフレが開発したジャンピングアワーモジュールでは、主要な3つの部品の働きをダイアル側から見ることができる。

 分表示ディスクの下にある中央駆動車は、60分で1回転する。左側に見えるジャンパースプリングは、星形車に常に圧力をかけ、時表示を正しい位置に保持する。星形車が回り始めるとスプリングに徐々に力が蓄えられ、次の歯へと跳ねる瞬間に時表示が切り替わる。

 機能と装飾を兼ねるダイアルは、この構造全体をひとつにまとめる。洋銀の一枚材から削り出され、ジャンピングアワーモジュールの地板として、機構を支えている。

Tech Specs

スペースワン×バルチック〈セコンド・マジュール〉Ref. SB001 ケース:ステンレススチール ストラップ:レザー バックル:ピンバックル ダイアル:洋銀製、ブラッシュ仕上げ 防水性能:50m ケース径:38.5mm ケース厚:12.3mm ムーブメント:自動巻き。約42時間パワーリザーブ。毎時2万8800振動 機能:時・分・秒表示、ジャンピングアワー発売:2026年5月 限定:世界3000本 価格:3000スイスフラン(VAT込み)


Revolution Japanの予想

 今年のチャレンジ部門の見どころは、限られた条件の中で何を生み出せるか、その発想の豊かさにある。本命・対抗・穴には、時刻を読む行為そのものを面白くする3本を選んだ。ただ、振り返ってみると、どうしても2本目、3本目として欲しくなる時計に目が向いてしまったかもしれない。
初めて機械式時計を買う人には、キングセイコーかフレデリック・コンスタントを薦めるだろう。ブランドの長い歴史に魅力を感じるなら、ファーブル・ルーバも王道の選択肢だ。歴史あるブランドの時計には、造形や仕上げ、実用性にそれぞれの強みがある。
独創性に惹かれるか、日々使う時計としての完成度を選ぶか。受賞作を予想するうちに、自分が時計に何を求めているのかも見えてくる。そこが、この部門の面白さだ。

◎本命

スペースワン×バルチック〈セコンド・マジュール〉

 何と言ってもジャンピングアワー機構の主要パーツや動きをダイアル側から見ることができるという、この一点だけで、入手したくなる人は多いに違いない。「時計機構の面白さ」を色濃く体感できる点が、審査員にも強く訴えるだろう。

 洋銀製の一枚材から削り出されたダイアル兼地板の質感も本格的で、3,000スイスフラン(約57万円)という価格以上の魅力を備えている。

◯対抗

ベダーア〈アングル・ギシェ〉

 既成のムーブメントを改造し、窓を通して太陽と月の動きで24時間表示を行うアプローチは、チャレンジ部門の醍醐味である「限られた予算・ムーブの中での工夫と個性」を完璧に体現している。ケース厚がわずか6.3mmという薄さを実現している点もいい。いつかギシェを1本コレクションに加えたいという時計ファンは多いはずだが、1,800スイスフラン(約34万円)なら手が届きそうだ。ケースやバックルのデザインも個性的。自分で買うなら、絶対これ。

▲穴

ボーブルー〈ラ・ピエス No.2〉

 透明なディスクで支えられた「円形の秒針がダイアル上を浮遊する」という視覚的インパクトは圧倒的。パリ造幣局(モネ・ドゥ・パリ)の伝統技術を用いた、インデックス一体型の金属打刻ダイアルも極めて斬新だ。 1,505スイスフラン(約29万円)という、本部門の中でもひときわ手頃な価格設定でありながら、アートピースのような独創性を放っている。手頃な価格の時計は、なぜかフランス製がカッコいい。

※本稿の予想はRevolution Japan編集部による独自の見解であり、GPHGの審査結果とは一切関係ありません。

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《まとめ》Revolution Japanが送る——GPHG「本命・対抗・穴」大予想!

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