チャペック〈プロムナード トランスペアレンシーズ アクアブルー〉。スモークブルーのグラデーションをまとったサファイアクリスタル製文字盤の奥に、自社製スケルトンムーブメント、キャリバー SXH7をほぼ完全なかたちで露出させる新作だ。生産本数はわずか38本である。
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Czapek Promenade Transparencies Aqua Blue: The Architecture of Transparency
38本限定で登場した「機械を見せる」ためのブルー
チャペック〈プロムナード トランスペアレンシーズ アクアブルー〉
スモークブルーのグラデーションをまとったサファイアクリスタル製文字盤の奥に、自社製スケルトンムーブメント、キャリバー SXH7をほぼ完全なかたちで露出させる新作だ。生産本数はわずか38本である。
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by Revolution Japan. Aug 22, 2026 |
文字盤は「機械を見るための窓」
2024年に登場した初代〈プロムナード トランスペアレンシーズ ヴィリジアン・グリーン〉が掲げたテーマは、その名の通り「透明性」だった。通常なら文字盤によって覆われるはずのムーブメントを隠すのではなく、サファイアクリスタルを用いることで、文字盤そのものを“見るための窓”とする。その発想を踏襲しながら、今回はアクアブルーという新たな色彩表現が与えられている。

▲ 美しい透明グラデーションを描くサファイアクリスタル製の文字盤。
この時計でまず注目したいのが、サファイアクリスタル製文字盤のブルーだ。一見するとフュメ仕上げのラッカーダイヤルにも思えるが、実際にはラッカーでも塗装でもない。サファイアディスクの裏側に金属コーティングを施す「メタライゼーション」という技術によって色を生み出している。
直径約8ミクロンという極小のドット状パターンを形成し、その密度を外周に向かって高めることで、中央の透明性を保ちながら、縁に近づくほど深いブルーへと変化するグラデーションを実現している。
つまり色素でサファイアを覆っているのではなく、金属蒸着の密度そのものをコントロールすることで濃淡を描いているのだ。
この処理によって、文字盤の存在感とムーブメントの視認性という、本来なら相反しそうな要素が成立している。中央部では輪列やブリッジが明確に見え、外周ではブルーがケースと文字盤に輪郭を与える。単なる“スケルトンウォッチ”とは異なり、透明性そのものをデザイン要素として扱っている点が、このモデルの大きな特徴だ。
インデックスそのものをスーパールミノバで成形
初代モデルからのもうひとつの変化が、アワーマーカーだ。従来のメタル製インデックスに代わり、〈アクアブルー〉では各インデックス自体をライトブルーのスーパールミノバで立体的に成形。それをひとつずつ手作業でサファイアクリスタル製文字盤へ固定している。 暗所ではブルーに発光し、昼夜で異なる表情を見せる。
サファイアの透明感を損なわず、なおかつ視認性を確保するという意味でも理にかなったアプローチだ。ブルーのフュメと淡いブルーのインデックスが呼応することで、機械的な構造にどこか軽やかな印象が加わっている。

▲ 表から見せるために再設計されたキャリバー SXH7
搭載するのは、自動巻きのキャリバー SXH7。チャペックのキャリバー SXH5をベースに、徹底的なスケルトン化を施したムーブメントである。ただし、単に既存ムーブメントから地板やブリッジを削り取ったものではない。文字盤側から見たときにも美しく、かつ機構が論理的に見えるよう、専用設計が施されている。
とりわけ象徴的なのが、ムーブメント外周から中心方向へ伸びる7本のオープンワーク・ブリッジだ。その構成は、19世紀にフランソワ・チャペックが製作した懐中時計に見られる複数ブリッジ構造にインスパイアされている。
さらに、文字盤側から輪列の動きを見やすくするため、脱進機全体の配置を反転。スモールセコンドは4時30分位置へ移され、4番車から直接駆動される構成とした。リューズから巻き上げ・時刻合わせへ至る機構についても、文字盤側から見た時に美しい位置関係になるよう再設計されている。スケルトン化を“アーキテクチャ”として成立させようとするチャペックらしいアプローチである。
表も裏も、同じレベルで仕上げる
ムーブメントがほぼ全面的に露出する以上、仕上げにも逃げ場はない。キャリバー SXH7では、ケースバック側だけでなく文字盤側にも同水準の装飾が施されている。サンドブラスト仕上げのブリッジ、オープンワークされたラチェットホイール、手作業による面取り、鋭い内角、側面のストレート・グレインなどを表裏で揃えており、メーカーによれば、片面のみを仕上げるムーブメントと比較して手作業の工程は実質的に2倍に達するという。
マイクロローターは100%リサイクル・プラチナから削り出され、こちらも表裏の両面にエングレービングが施される。

▲ 38mmという抑制の効いたサイズが魅力だ。
ケースはステンレススティール製で直径38mm、厚さ10.8mm。ラグ・トゥ・ラグは42mmとコンパクトにまとめられている。プロムナード コレクションに共通する曲線的なラグと、立体的にえぐられたケースサイドによって、スケルトンウォッチにありがちなメカニカルな重さを感じさせない。
風防はグラスボックス型サファイアクリスタル。ケースバックもサファイアクリスタル製で、双方に反射防止加工を施すことで、表裏どちらからでもキャリバー SXH7の構造を存分に観察できる。
ダークブルーのヌバックストラップが標準装備され、オプションとしてステンレススティール製ミラネーゼ・ブレスレットも用意される。
“機械的なエロティシズム”
チャペックCEO、ザビエル・デ・ロックモーレルは、この「トランスペアレンシーズ」という考え方について興味深い表現を用いている。すべてを露出するのではなく、一部を見せ、残りを想像させる。その感覚を彼は「機械的なエロティシズム」と表現する。
確かに〈プロムナード トランスペアレンシーズ アクアブルー〉の面白さは、単純な「全部見せ」ではない。
サファイア文字盤にはブルーの濃淡があり、ブリッジの間には視線を遮る部分があり、その奥に輪列が覗く。見えるものと見えないものが交互に現れることで、視線が何層もの深さへ引き込まれていく。
透明であることが目的なのではなく、透明性そのものをコントロールすること。それこそが、この時計のコンセプトなのだろう。
Tech Specs
チャペック〈プロムナード トランスペアレンシーズ アクアブルー〉 ケース:ステンレススティール ケース径:38mm 厚さ:10.8mm ラグ・トゥ・ラグ:42mm 防水性能:5気圧 文字盤:ブルー・フュメのメタライゼーションを施した半透明サファイアクリスタル インデックス:ライトブルーのスーパールミノバ塗布アプライドインデックス ムーブメント:キャリバー SXH7.1、自動巻き 振動数:28,800振動/時(4Hz) パワーリザーブ:約60時間 石数:25石 部品数:152 ローター:リサイクル・プラチナ製マイクロローター ストラップ:ダークブルー ヌバック 限定数:38本
¥8,140,000
Brands:Czapek・
