卓越したデザインと歴史的価値を併せ持つカルティエ。同ブランドがなぜ長年にわたり時計界に君臨し続けるのか、その本質的魅力に迫る。
3 Reasons Cartier’s Watches are the Best in the Business
カルティエの時計が業界最高峰と言われる三つの理由
卓越したデザインと歴史的価値を併せ持つカルティエ。同ブランドがなぜ長年にわたり時計界に君臨し続けるのか、その本質的魅力に迫る。
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by Felix Scholz. Mar 10, 2025 |
手の届きやすさとラグジュアリーのバランス
カルティエが素晴らしいブランドであることは、誰にとっても驚きではないだろう。数週間ごとに、コメント欄やWhatsAppのチャットで、カルティエが世界で最も偉大なラグジュアリーブランドかもしれないという議論を目にする。私が「ラグジュアリー」と言ったのは、「ラグジュアリーウォッチ」のことではない、もっと大きな話である。ひとまず、なぜ最高のカルティエの時計が、この非常に競争の激しい業界でその地位を維持できているのか、という強力な主張に焦点を当ててみよう。

▲ パリ、ロンドン、ニューヨーク。三つの創業ブティック。カルティエが世界へ羽ばたき、今世紀における最も素晴らしい冒険の一つを築き上げるきっかけとなった、三つの伝説的な場所である。(Image: Cartier)
他の一流の高級ブランドと同じように、カルティエにも、手に入れるのが非常に難しい特別な時計のラインナップがある。例えば、〈カルティエ プリヴェ〉コレクションの全製品や限定モデル、そして「クラッシュ」の時計などは、手に入れるのにハリウッドのプロデューサー以上のコネクションや、大きな魚を釣り上げるような強運が必要と言われるほどである。
このように、一部の商品を限定品とするのは、すべてのラグジュアリーブランドにとって当たり前のことであり、昔からそうであった。しかし、同じくらい魅力的な商品を持つ他の時計メイカーとカルティエが違うのは、カルティエのブティックに入れば、実際に時計を買うことができるという点だ。人気色のラッカー仕上げの〈サントス デュモン〉 ウォッチ は難しいかもしれないが、レギュラーのステンレススティール製モデルはどうだろうか。もちろん、それは手に入る。他の人気ブランドも別のモデルを提案するかもしれないが、その体験は全く同じではない。
パテック フィリップに行って〈アクアノート〉を探しても、代わりに〈カラトラバ〉を買うことになるかもしれないが、それは心から求めていたものとは違う。ロレックスでも、〈デイトナ〉と〈チェリーニ〉の大きな共通点は、文字盤に書かれた名前だけである。しかしカルティエの場合、入門モデルから最高峰の1本まで、自分の好みにぴったりの時計が驚くほどスムーズに見つかります。他ブランドのような果てしない入荷待ちリストや、顧客を選別するような「限定感」に振り回される必要もないだろう。

▲ エナメルストライプが施されたカルティエ〈クラッシュ ティグレ〉

▲ ステンレススティール製の〈サントス デュモン> マイクロローター スケルトンウォッチ
〈サントス デュモン〉の例をさらに見てみよう。クォーツ式の大きなSS製〈サントス デュモン〉は、ピンクゴールド/ピーコックブルーのモデルと同じではないが、デザインや腕につけた時の感触は同じで、しかも価格はずっと安い。

▲ ピンクゴールド/ピーコックブルーの〈サントス デュモン〉
あらゆるレベルで際立つカルティエの象徴
エントリーモデルから、誰もが憧れる最高傑作まで、カルティエが幅広い魅力を誇っている理由は、そのプロダクトカタログ(製品群)が信じられないほどのロングセラーであることと無関係ではない。そのメゾンは、新しいデザインやコレクションの導入に積極的である一方で、中核となるモデルについては、デザイン的に1世紀以上にわたって根本的に変わっていない。
ほんの少しだけ、考えてみてほしい。ルイ・カルティエが〈サントス〉と〈タンク〉をデザインした時、まだ多くの人にとって主な移動手段は馬だった。それ以来、そのデザインは世代を超えてほとんど変わっていないのだ。さらに素晴らしいことに、時計ファンになったばかりの人でも、その同じデザインの時計を数千ドルで買うことができる。
普段使いの定番時計を探している人も、コレクションを格上げする最高のカルティエ時計を探している人も、これほどの時計作りの歴史と名声を、これほど手に取りやすい形で提供できるブランドは他にほとんどない。カルティエは — この言葉の真の意味を持つ数少ない例として— 「アイコン」を作り出しているのだ。
彼らの「アイコン」が真に特別なものであるのは、それらを出し惜しみしない点である。クォーツまたはエントリーモデルの自動巻きの〈タンク〉を手に入れることもできるし、もっとお金を出して、より豪華な文字盤、ゴールドのケース、ダイヤモンドがあしらわれたものを手に入れることもできる。さらに多くのお金をかければ、世界最高の芸術職人によって作られた文字盤のモデルを所有することも可能なのだ。
これだけでもすごいことだが、数千ドルで買えるSS製クォーツの〈タンク マスト〉が、もっと高級なモデルと同じくらい素敵に見え、同じように満足度を感じられるという事実は、さらに称賛に値する。

▲〈タンク ルイ カルティエ〉

▲ カルティエ プリヴェ〈タンク シノワーズ〉(左:プラチナ 中央:イエローゴールド 右:ダイヤモンドをセットしたプラチナのスケルトンモデル)
このメゾンが魅力を広くアピールできるのには多くの理由があるが、世界共通の魅力として、その「色あせないデザイン」があると私は考えている。中核となるコレクションは、時おり行われる動作のアップグレードや微妙な人間工学的な調整を除けば、決して時代遅れになることはない。カルティエは、自分たちが「アイコン」を作っていることを知っていて、それをそのままにしておく賢さを持っているのだ。
高価格帯でなくても強いブランド力
実際に手が届く、真の時計アイコンというこの組み合わせは、計り知れないほど強力である。カルティエは、カルト的な人気を誇るクラシックモデルを戦略的に復活させることや、文化機関への支援を通じてメゾンの歴史的役割や名だたる顧客たちとの関わりを探求することで、その膨大な歴史を巧みに活用し、大きな成果を収めている。そのうえ、カルティエが時計専門ブランドではないという事実は、きわめて大きな強みだ。ブランドの多角化によって、時計デザインをメゾンの核となる一貫性や純粋さを保ちながら、幅広い価格帯で提供し続けることができるのだ。
毎日使える時計から、コレクションに加えたい最高の1本まで。カルティエは、誰もが憧れる魅力と、手の届きやすさのバランスが素晴らしいウォッチメイカーだ。そのバランスは、他のブランドが真似したくてもなかなか真似できないカルティエの強みとなっている。
Brands: Cartier
