時計業界の既成概念を打ち破り、新たな時代を告げたロレックス〈ランドドゥエラー〉。本年度の「ウォッチ・レボリューション・オブ・ザ・イヤー」選出にお
Revolution Awards 2025:Watch Revolution of the Year — Rolex Land-Dweller
Revolution Awards 2025:ウォッチ・レボリューション・オブ・ザ・イヤー
ロレックス〈ランドドゥエラー〉
時計業界の既成概念を打ち破り、新たな時代を告げたロレックス〈ランドドゥエラー〉。2025年ウォッチ・レボリューション・オブ・ザ・イヤー選出において、満場一致の決定に一点の疑いもなかった。我々の期待を遥かに超越してみせた、その真価を解き明かす。
by Joyceline Tully . Jan 27,2026
「ウォッチ・レボリューション・オブ・ザ・イヤー」は、その革新がもたらした純然たる衝撃をもって、時計業界に革命を起こしたブランドと時計に授与される。我々が着目するのは、その革新の目新しさや、単なる巧妙さではない。むしろ重要なのは、それが既存の期待値をリセットし、既成概念を打ち破り、現代の時計製造の地平をどこまで押し広げたか、という点にある。

▲ロレックス 〈ランドドゥエラー〉(左)オイスタースチール&ホワイトゴールドベゼル、(右)アイスブルーダイアルを備える 950 プラチナモデル (©Revolution)
これらの諸要素を鑑みれば、ロレックスの〈ランドドゥエラー〉に本賞を授与することは、一点の疑いもない満場一致の決定であった。2012年の〈スカイドゥエラー〉のデビュー以来、初となる完全新作コレクションとして登場した〈ランドドゥエラー〉は、一連の特許に裏打ちされた全く新しいキャリバーを搭載している。
これはロレックスによる、ゲームチェンジャーとなる革新への公然たる宣言であり、明確なシグナルである。〈ランドドゥエラー〉が限定モデルや一点物ではなく、レギュラー生産のコレクションであるという事実は、本賞の受賞を決定づける揺るぎない理由となった。
〈ランドドゥエラー〉の核心部には、ロレックスが完全自社開発・製造した キャリバー 7135 が鎮座している。これは間違いなく、同ブランドにとってここ数年で最も技術的に重要なムーブメントである。時計製造技術の最先端を誇るこのムーブメントは、何よりも画期的な調速機構が際立つ。シリコン製のシーケンシャル エスケープメントであるダイナパルス エスケープメントと、シリコン製シロキシ・ヘアスプリング、およびハイテクセラミック製バランススタッフを組み合わせた振動子が搭載されているのだ。
強い磁場への耐性を備えた キャリバー 7135 は、ロレックス初のハイビート・ムーブメントとして 5Hz(毎時 36,000回)で鼓動し、10分の1秒までの時間計測を可能にしながら、約66時間という驚異的なパワーリザーブを誇る。

▲このムーブメントの回転錘(ローター)には「Chronometer Perpetual」、そして受け(ブリッジ)の1つには「Superlative Adjusted」の文字が、それぞれ刻印されている (©Revolution)
これは、ゼロから再設計された全く新しいダイナパルス エスケープメントによって実現されたものである。このダイナパルス エスケープメントは摩擦を低減し、従来のスイスレバー脱進機と比較して、省スペース性を維持しながらもエネルギー効率を約 30%最適化させている。
また、ロレックスは振動子にも改良を加え、高度な材料科学を駆使することで、耐衝撃性と安定性を最適化し、さらには耐磁性能をも向上させた。高振動化を達成するため、ロレックスは厚みを増し形状を刷新したコイルを持つシリコン製シロキシ・ヘアスプリングを採用し、剛性を高めることで 5Hzでの安定した振動を維持させたのである。

▲ダイナパルス エスケープメントは、新しい キャリバー 7135 の調速機構における最も重要な革新である (©Revolution)
〈ランドドゥエラー〉関連では 32件の特許が出願されており、そのうちの 16件はムーブメントのみに関するものだ。ロレックスによれば、この規模の技術革新は極めて稀で多大なコストを要するものであり、今作の場合、完成までに 10年もの歳月を費やしたという。
技術的な卓越性もさることながら、〈ランドドゥエラー〉は極めて美的な時計でもある。ロレックスのデザインコードを継承するだけでなく、それを一段上の次元へと押し上げているのだ。
ハニカムモチーフダイアルやフラットジュビリーブレスレットから、画期的なムーブメントを誇らしげに覗かせるトランスパレントケースバックを備えた新設計のオイスターケースに至るまで、その進化は目覚ましい。
このようにムーブメントを鑑賞できる仕様は、ロレックスにおいては極めて異例だ。現在まで、同様の内部ビューを許されているのは〈パーペチュアル 1908〉と、〈コスモグラフ デイトナ〉のプラチナモデル、そして今年発表されたロレジウムモデルのみである。これこそが、キャリバー 7135 がいかに特別な存在であるかを示す、確固たる証左といえよう。

▲アワーマーカーの役割を果たすバゲットカットダイヤモンド。ベゼルには、眩いばかりの輝きを放つグラマラスな 44個のトラペーズカットダイヤモンドが散りばめられている (©Revolution)
ロレックスの〈ランドドゥエラー〉は、2025年で最も大胆かつ派手な発表ではなかったかもしれない。しかし、その影響力と意義の大きさにおいて、最も重要な意味を持つ“マスターピース(傑作)”なのである。これこそが、ロレックスが現代の時計製造において見いだした、究極の回答なのだ。
Brands:Rolex
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