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満月を待つ可愛いオオカミ——コンスタンチン・チャイキン〈ウルフ〉

Editorial

コンスタンチン・チャイキンのEAST-イースト-コレクションに、第2のキャラクターとなる〈ウルフ〉が登場した。鋭い牙、鮮やかな黄色の瞳、毛並みを思わせる立体的なギヨシェを備えたその表情は、個性的で愛らしい。しかし、この時計の見どころはユーモラスな外見だけではない。顔をモチーフとし、目で時と分を示す「リストモン」ならではの表示に加え、大きく開いた口の中には、満月の前後だけ姿を現す独自のムーンフェイズを搭載。遊び心あふれるキャラクターの裏側に、コンスタンチン・チャイキンらしい高度な機構が隠されている。。

Editorial

Konstantin Chaykin’s Hungry Wolf

満月を待つ可愛いオオカミ——コンスタンチン・チャイキン〈ウルフ〉

コンスタンチン・チャイキンのEAST-イースト-コレクションに、第2のキャラクターとなる〈ウルフ〉が登場した。鋭い牙、鮮やかな黄色の瞳、毛並みを思わせる立体的なギヨシェを備えたその表情は、個性的で愛らしい。しかし、この時計の見どころはユーモラスな外見だけではない。顔をモチーフとし、目で時と分を示す「リストモン」ならではの表示に加え、大きく開いた口の中には、満月の前後だけ姿を現す独自のムーンフェイズを搭載。遊び心あふれるキャラクターの裏側に、コンスタンチン・チャイキンらしい高度な機構が隠されている。

by Matthew De Jesus . Sep 3, 2026

 コンスタンチン・チャイキンの「リストモン」は、新作がリリースされる度に、新しい魔法を見せてくれる。個性豊かな表情や、きょろきょろと動く目に思わず笑みがこぼれる。しかし、あらためて細部に目を凝らせば、その奥にある本格的な時計製造の技術と、非常に高いレベルの仕上げに気づかされる。

 新作〈ウルフ〉は、昨年のジュネーブ・ウォッチ・デイズで初披露された〈パンダ・チタニウム〉に続く、コンスタンチン・チャイキンのEAST-イースト-コレクション第2弾だ。

 このコレクションの構想は、2018年に描かれた動物や鳥のスケッチから始まった。その後、東洋文化と結びつきの深い生き物たちをモチーフとする5本の時計へと発展。チャイキンのラインナップのなかでも、もっとも遊び心にあふれたシリーズとなっている。

毛並み、牙、そして細部へのこだわり

 コンスタンチン・チャイキンの「リストモン」は、ダイアル上の表示そのものがキャラクターの顔を形づくっている。左目が時、右目が分を示し、それぞれの瞳に入った小さな光の反射が時刻を読み取るためのポインターとなる。大きな黄色い虹彩は、高精度のパッド印刷を幾層にも重ねて表現されており、その一層一層が手作業で施されている。

 上側のラグは大きく引き伸ばされ、警戒するオオカミのような一対の尖った耳を形づくる。〈パンダ・チタニウム〉とは異なり、放射状のブラッシュ仕上げを施したベゼルからは、動物名を刻んだ凹状のレタリングが省かれた。その結果、ケースの輪郭はよりすっきりとし、視線はいっそうダイアルの“顔”へと引き寄せられる。

 この“顔”は20ものパーツから成り、その作り込みは驚くほど緻密だ。額からダイアル下部にかけては、オオカミの毛並みの流れに沿うように、波打つ立体的なギヨシェが施されている。鼻筋にはダークカラーの幾何学模様をあしらい、長く伸びた鼻先を強調。さらに、盛り上がった眉の稜線にはサンドブラスト仕上げを施し、表情にいっそうの奥行きを与えている。

 そのほかにも、ルテニウムメッキを施した面、マットな質感、ポリッシュ仕上げのアプライドパーツ、滑らかに膨らんだ鼻など、多彩な仕上げを重ねることで顔立ちを作り込んでいる。カラーリングはブラック、グレー、シルバーのベースに、白い牙と、大きく開いた口のレッドが際立っている。

満月を待つ

〈パンダ・チタニウム〉や〈ジョーカー〉と同様、〈ウルフ〉にも口の中に機械的な仕掛けが隠されている。ムーンフェイズを備えた従来の「リストモン」には、2つの月を描いたディスクが用いられていた。しかし〈ウルフ〉では、それとはまったく異なるシステムが採用されている。

 一般的なムーンフェイズのように月の満ち欠けをすべて表示するのではなく、〈ウルフ〉が見せるのは満月を挟んだわずか2〜3日間だけだ。ディスク上の赤い月は、同時にオオカミの舌としても機能し、満月の前日から姿を現し、その後48時間にわたって表示される。

 満月とオオカミというイメージを考えれば、実に気の利いた演出だ。もちろん、オオカミが実際に月に向かって遠吠えするわけではない。それでも、このイメージは、じつに豊かなキャラクターを生み出している。

 この独自のムーンフェイズを実現するため、チャイキンは〈ジョーカー〉の表示モジュールを大幅に再設計した。新しいモジュールは111個の部品で構成されている。オリジナルの〈ジョーカー〉が61個だったことを考えると、その複雑さは大きく増している。

 その下には、スイスのラ・ジュー・ペレ製G200自動巻きムーブメントをコンスタンチン・チャイキン・マニュファクチュール向けに改良して搭載。両者を組み合わせた自動巻きキャリバーK.18-28は、68時間のパワーリザーブを備えている。

 40mm径のステンレススティール製ケース自体も38個のパーツで構成されており、厚さは12.15mm。尖った上側のラグ部分では12.75mmとなる。表裏にはサファイアクリスタルを採用し、防水性能は30mを確保している。

 愛らしい表情の奥に本格的な時計製造を忍ばせる〈ウルフ〉は、コンスタンチン・チャイキンの遊び心が、決して見た目だけのものではないことをあらためて示している。

Tech Specs

コンスタンチン・チャイキン〈ウルフ〉 ムーブメント:自動巻きキャリバーK.18-28。スイス製ラ・ジュー・ペレ G200をベースに、コンスタンチン・チャイキン・マニュファクチュール向けに改良。パワーリザーブ68時間 機能:10時位置の左目で時、2時位置の右目で分を表示。満月期間表示 ケース:ステンレススティール。直径40mm、厚さ12.15mm。上側ラグを含む厚さ12.75mm。表裏サファイアクリスタル。30m防水 ダイアル:レリーフギヨシェ、ルテニウムメッキおよび着色、手作業による多段階パッド印刷 価格:要問い合わせ

Brands:Konstantin Chaykin

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