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GPHG 大予想——Chronograph部門「時間を測るための精鋭たち」

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伝統機構を磨き上げるか、計測の仕組みそのものを変えるか。GPHG 2026のクロノグラフ部門には、異なる哲学を掲げる6本が顔を揃えた。薄型化と複雑機構の融合、独創的な表示、緻密な手仕上げ、そして操作感の革新。「時間を測る」という共通の使命に、それぞれが示した答えを読み解きながら、Revolution Japanが今年の行方を予想する。

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GPHG 2026 Predictions: Chronograph— The Masters of Measuring Time

GPHG 大予想——Chronograph部門「時間を測るための精鋭たち」

伝統機構を磨き上げるか、計測の仕組みそのものを変えるか。GPHG 2026のクロノグラフ部門には、異なる哲学を掲げる6本が顔を揃えた。薄型化と複雑機構の融合、独創的な表示、緻密な手仕上げ、そして操作感の革新。「時間を測る」という共通の使命に、それぞれが示した答えを読み解きながら、Revolution Japanが今年の行方を予想する。

by Revolution Japan. Sep 27, 2026

Chronograph部門とは?

「時間を知る」だけでなく、「時間を測る」ための時計——それがクロノグラフだ。GPHGの「Chronograph」部門は、その名の通りクロノグラフを搭載した機械式時計を対象とするカテゴリー。GPHGの公式規定では、「少なくともひとつのクロノグラフ表示を備えた機械式時計」と定義されており、それ以外の表示や複雑機構を併せ持つことも認められている。

 そのため、ひと口にクロノグラフといっても、その顔ぶれは実に多彩だ。一般的な二つ目、三つ目のクロノグラフはもちろん、ボタンひとつで計測を瞬時にリスタートできるフライバック、複数の対象の経過時間を計測できるスプリットセコンド、さらにはトゥールビヨンなどの複雑機構を組み合わせたモデルまでが、同じ土俵で競い合うことになる。

 また、その内部構成もさまざまだ。クラッチは水平か垂直か、制御方式はコラムホイールかカムか、ブリッジやレバーをどのように配置するのか。クロノグラフ作動時のトルクや振幅の変化をどう抑え、精度への影響を最小限にするのか。そしてプッシャーを押したときの感触はどうか……。メーカーによって、その設計思想は大きく異なる。

 今年は、伝統的なクロノグラフの完成度を極限まで高めたものから、まったく新しい機構によって「時間を測る」という行為そのものを再解釈したものまで、強烈な6本がノミネートされた。


Nominee #1——AUDEMARS PIGUET Royal Oak “Jumbo” Extra-thin Selfwinding Flying Tourbillon Chronograph RD#5 “150th Anniversary”

オーデマ ピゲ〈ロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シン フライング トゥールビヨン クロノグラフ(RD#5)〉

 オーデマ ピゲは創業150周年を記念し、研究開発部門による最新作〈ロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シン フライング トゥールビヨン クロノグラフ(RD#5)〉を発表した。5年をかけて開発された新型キャリバー8100を搭載し、フライバック・クロノグラフとフライング トゥールビヨンを、厚さわずか8.1mmの“ジャンボ”ケースに収めている。

 最大の特徴は、150年以上にわたりクロノグラフの基本構造として使われてきたハートカムとハンマーによるリセット機構を根本から見直したことだ。新たに特許取得のラック&ピニオン機構を採用し、エネルギーを蓄えて一気に解放することで、少ない力で素早く正確なゼロリセットを実現。クロノグラフ針やホイールには軽量なチタンを使用している。

 また、従来型と摩擦式の考え方を組み合わせた新しい垂直クラッチやコラムホイールを採用し、クロノグラフ始動時の針飛びを抑制。短いストロークと軽い操作力を実現したプッシャーなど、操作感そのものにも大きく手が加えられた。瞬時にジャンプする分積算計を備える点も特徴だ。

 ケースにはチタンとバルク・メタリック・ガラス(BMG)を採用。裏側にはプラチナ製ペリフェラルローターを配置することで薄型化を図ると同時に、精緻に仕上げられたムーブメントを広く見渡せる構造とした。パワーリザーブは約72時間。世界限定150本となる。

Tech Specs

オーデマ ピゲ〈ロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シン フライング トゥールビヨン クロノグラフ(RD#5)〉 ケース素材:チタン、バルク・メタリック・ガラス(BMG) ブレスレット:チタン&BMG バックル:フォールディングバックル ダイアル:ミッドナイトブルー「プチ・タペストリー」 防水性:20m ケース径:39mm ケース厚:8.1mm ムーブメント:自動巻き 振動数:21,600振動/時 パワーリザーブ:約72時間 機能:時・分・秒表示、フライバック・クロノグラフ、フライング トゥールビヨン リファレンス:26545XT.OO.1240XT.01 発表:2025年10月 限定:世界150本 価格:289,500スイスフラン(税込)


Nominee #2——H. MOSER & CIE Endeavour Flyback Chronograph Dual Time Date

H.モーザー〈エンデバー・フライバック クロノグラフ デュアルタイム デイト〉

 フライバック・クロノグラフ、セカンドタイムゾーン、日付表示という3つの機能を備えながら、それを極めてミニマルなデザインにまとめ上げた一本だ。インダイアルを設けず、すべての主要表示をセンターに集約することで、複雑時計とは思えないほどすっきりとした表情を実現している。

 クロノグラフは、赤いセンター針が経過秒、ロジウム仕上げの針が経過分を表示。セカンドタイムゾーンもダイアル中央のフュメディスク上に配置された白い矢印で示される。さらにタキメータースケールを組み合わせながらも、情報量の多さを感じさせないのは、H.モーザーらしいところだ。

 搭載するのは、AGENHORと共同開発した新型手巻きキャリバーHMC 730。クロノグラフの経過分表示にはレトログラードの原理を応用し、スネイルカムに蓄えたエネルギーを解放することで分針を瞬時にジャンプさせ、高い判読性を実現している。

 ツインバレルによるパワーリザーブは約72時間。パワーリザーブ表示はダイアルの純粋さを損なわないようムーブメント側に配置される。また日付は前後どちらの方向にも安全に調整可能。複雑な機構をあえて複雑に見せない、H.モーザー&Cie.の哲学を体現したクロノグラフである。

Tech Specs

H.モーザー〈エンデバー・フライバック クロノグラフ デュアルタイム デイト〉 ケース素材:ステンレススティール ストラップ:レザー バックル:ピンバックル
ダイアル:サンバースト仕上げラッカー 防水性:30m ケース径:42mm ケース厚:13.2mm ムーブメント:手巻き、キャリバー HMC 730 振動数:21,600振動/時
パワーリザーブ:約72時間 機能:時・分表示、日付表示、パワーリザーブ表示、デュアルタイム、クロノグラフ、フライバック・クロノグラフ リファレンス:1730-1200 発表:2026年5月 価格:63,800スイスフラン(税込)


Nominee #3——LOUIS MOINET 1816 Chronograph

ルイ・モネ〈1816 クロノグラフ〉

 ルイ・モネは、19世紀フランスの時計師ルイ・モネの名を受け継ぎ、その発明精神と芸術性を現代のオートオルロジュリーに落とし込むブランドだ。1816年、ルイ・モネは世界初のクロノグラフとされる時計を完成させており、2026年はその210周年にあたる。

 これを記念して登場した〈1816 クロノグラフ〉は、オリジナルの機能的で端正なデザインを現代的に再解釈した一本。シャンパンカラーのダイアルにブルースティール針を合わせ、スモールセコンド、瞬時ジャンプ式30分積算計、12時間積算計を明快に配置する。

 搭載するのは、このモデル専用に新開発された手巻きキャリバーLM1816。330個の部品から構成され、コラムホイール、水平クラッチ、瞬時ジャンプ式分積算計、スワンネック緩急針を備える。振動数は毎時28,800振動、パワーリザーブは約48時間。

 ケースはグレード5チタン製で直径40.6mm。世界初のクロノグラフという自らの歴史を、現代的な機構と造形で再構築した、ルイ・モネらしい一本である。

Tech Specs

ルイ・モネ〈1816 クロノグラフ〉 ケース素材:チタン ブレスレット:グレード5チタン、シャンパンカラーDLCコーティング バックル:フォールディングバックル ダイアル:ビーズブラスト&サテン仕上げ 防水性:50m ケース径:40.6mm ケース厚:14.7mm ムーブメント:手巻き 振動数:28,800振動/時 パワーリザーブ:約48時間 機能:時・分・秒表示、クロノグラフ、瞬時ジャンプ式30分積算計 リファレンス:LM-151.20.30 発表:2026年4月 価格:31,900スイスフラン(税込)


Nominee #4——PARMIGIANI FLEURIER Tonda PF Chronographe Mystérieux

パルミジャーニ・フルリエ〈トンダ PF クロノグラフ ミステリューズ〉

 通常時、この時計は一見するとシンプルな3針の〈トンダ PF〉に見える。ダイアルは静かで、均整が取れ、クロノグラフの存在をまったく感じさせない。だが7時30分位置のケースバンドに組み込まれたモノプッシャーを押すと、その表情は一変する。

 1回目のプッシュで、ロジウム仕上げの3本のクロノグラフ針が瞬時に12時位置へフライバックし、そのまま計測を開始。同時にローズゴールド製の時・分針が姿を現し、通常時刻の表示を引き継ぐ。クロノグラフの時・分・秒はサブダイアルを使わず、ダイアル全面を使って表示される。

 2回目のプッシュで計測を停止。ロジウム仕上げの時・分・秒針が経過時間を示し、ローズゴールドの通常時刻表示と同一平面上で共存する。

 そして3回目のプッシュで、クロノグラフ針は単に12時位置へ戻るのではなく、現在時刻を示すローズゴールドの針と正確に重なる。秒針も通常の運針へ戻り、クロノグラフという複雑機構は再び完全に姿を消す。

 つまりこの時計では、同じ針が通常時刻とクロノグラフの双方を担う。複雑さを見せるのではなく、必要なときだけ現れ、役目を終えると再び消える。その“出現と消失”こそが、〈トンダ PF クロノグラフ ミステリューズ〉最大の魅力である。

 Tech Specs

パルミジャーニ・フルリエ〈トンダ PF クロノグラフ ミステリューズ〉 ケース素材:ステンレススティール、プラチナ ブレスレット:ステンレススティール バックル:フォールディングバックル ダイアル:グレイン・ドルジュ(大麦の穂)パターンの手彫りギヨシェ 防水性:100m ケース径:40mm ケース厚:13mm ムーブメント:自動巻き 振動数:28,800振動/時 パワーリザーブ:約60時間 機能:時・分・秒表示、クロノグラフ リファレンス:PFC908-1020001-100182 発表:2026年5月 価格:36,900スイスフラン(税込)


Nominee #5——REXHEP REXHEPI Chronograph FlybackCosmic Rain

レジェップ・レジェピ〈クロノグラフ フライバック〉

 レジェップ・レジェピは、現代の独立時計師を代表する存在のひとりだ。2012年、25歳で自身の工房アトリエ・アクリヴィアを設立。現在ではジュネーブ旧市街に複数の工房を構え、ムーブメントだけでなく、ケース、グラン・フー エナメルダイアル、ストラップまで自社で手掛ける体制を築いている。

 その彼が初めて手掛けたフライバック・クロノグラフが〈クロノグラフ フライバック〉だ。開発では薄型化を最優先し、ムーブメントの構成を一から見直した結果、クロノグラフ機構を一体化したインテグレーテッド構造を採用。手巻きキャリバーにはコラムホイールと水平クラッチを組み合わせ、フライバック機構と瞬時ジャンプ式の分積算計を備える。

 ダイヤルは美しいグラン・フー エナメル。針先を一段低く成形し、風防をより低く設置ししている。

 そして何より圧巻なのが仕上げだ。地板とブリッジには洋銀を用い、面取り、ブラックポリッシュ、ペルラージュ、コート・ド・ジュネーブ、手彫りといった伝統技法を、見えない部品にまで施す。単に高性能なクロノグラフを作るのではなく、機構、造形、仕上げのすべてをひとつの作品として突き詰める——そこにレジェップ・レジェピの凄みがある。

Tech Specs

レジェップ・レジェピ〈クロノグラフ フライバック〉 ケース素材:プラチナ ストラップ:レザー バックル:ピンバックル ダイアル:エナメル 防水性:30m ケース径:38.8mm ケース厚:9.7mm ムーブメント:手巻き 振動数:21,600振動/時 パワーリザーブ:約72時間 機能:時・分・秒表示、フライバック・クロノグラフ、瞬時ジャンプ式分積算計 リファレンス:RRCHF 発表:2026年4月 価格:150,000スイスフラン(税込)


Nominee #6——TAG Heuer Monaco Evergraph

タグ・ホイヤー〈モナコ エバーグラフ〉

 タグ・ホイヤー〈モナコ エバーグラフ〉は、同社が長年得意としてきたクロノグラフを、まったく新しい考え方で作り直したモデルだ。2026年のWatches & Wondersで発表され、耐久性や信頼性、精度だけでなく、プッシャーを押したときの感触まで見直されている。

 40mmのスクエアケースはグレード5チタン製。初代〈モナコ〉の個性的なフォルムを受け継ぎ、リューズも1969年のキャリバー11を思わせる左側配置とした。一方で、透明感のあるダイアルや立体的なカウンターによって、内部機構を見せる現代的なデザインに仕上げている。

 最大の特徴は、新開発のキャリバーTH80-00だ。一般的なクロノグラフでは、多くのレバーやスプリングが連動してスタート、ストップ、リセットを行うが、このモデルではそれらの役割の一部を、しなって動く特殊な部品に置き換えた。これにより部品同士の摩擦を減らし、作動の安定性や耐久性を高めるとともに、プッシャーを押した際の感触もより明確になった。

 さらに、軽量で衝撃や磁気に強いTH-Carbonspringオシレーターを搭載。振動数は5Hz、パワーリザーブは約70時間で、COSC認定も取得している。7件の特許技術を盛り込んだ〈モナコ エバーグラフ〉は、伝統的なクロノグラフの仕組みそのものに新しい答えを提示した一本だ。

Tech Specs

タグ・ホイヤー〈モナコ エバーグラフ〉 ケース素材:チタン ストラップ:テキスタイル型押しラバー バックル:フォールディングバックル ダイアル:スケルトン 防水性:30m ケースサイズ:40 × 47.8mm ケース厚:14.5mm ムーブメント:自動巻き、スケルトン仕様 振動数:36,000振動/時 パワーリザーブ:約70時間
機能:時・分・秒表示、クロノグラフ 認定:COSC リファレンス:CEW5181.FT8123 発表:2026年4月 価格:23,000スイスフラン(税込)


Revolution Japanの予想

 例年思うがChronograph部門は、同じクロノグラフでもモデルごとの価格の差が激しい。今回も最も高いモデルと安いモデルの間には、十倍以上の価格差がある。ここをどう捉えるかで、評価はがらりと変わるだろう。

 H.モーザー&Cie.〈エンデバー・フライバック クロノグラフ デュアルタイム デイト〉は、フライバック、デュアルタイム、デイトという複数の機能を、極めてミニマルな表情にまとめた完成度の高い一本だ。AGENHORと共同開発した新型キャリバーHMC 730の内容も申し分ない。

 ルイ・モネ〈1816 クロノグラフ〉には、世界初のクロノグラフ誕生から210周年という、他にはない強烈なストーリーがある。コラムホイール、水平クラッチ、瞬時ジャンプ式分積算計と、正統派クロノグラフとして非常に魅力的だ。シースルーバックを覗けば、クロノグラフの基本的メカニズムが手に取るようにわかる。もし筆者自身が買うなら、この一本を選ぶ。

 そして最後まで▲と迷ったのが、パルミジャーニ・フルリエ〈トンダ PF クロノグラフ ミステリューズ〉だ。クロノグラフを使わないときには、その存在そのものを隠してしまうという発想は極めて独創的で、通常時刻と計測時間を同じダイアル上で美しく切り替える仕組みも見事。今回もっともエレガントな解答と言っていい。ファッション性も抜群だ。

 こうして見ると、今年は「どれが最も優れたクロノグラフか」というより、「クロノグラフに何を求めるか」で評価が変わる年だ。

 圧倒的な技術力を詰め込んだオーデマ ピゲ。伝統機構を究極まで洗練したレジェップ・レジェピ。そしてクロノグラフそのものを改革したタグ・ホイヤー。どの時計が選ばれても不思議ではない。

◎本命

オーデマ ピゲ〈ロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シン フライング トゥールビヨン クロノグラフ(RD#5)〉

 フライバック・クロノグラフとフライング トゥールビヨンを、厚さわずか8.1mmの〈ロイヤル オーク “ジャンボ”〉に収めたこと自体が驚異的だ。

 さらに、長くクロノグラフの基本であったハートカムとハンマーによるリセット機構を見直し、ラック&ピニオンを用いた新機構を開発。プッシャーの操作感やエネルギー効率まで含め、クロノグラフを根本から再考している。

 創業150周年というストーリーも申し分ない。価格を考慮しなければ、技術的には文句なしの本命だ。しかしながら、フライング トゥールビヨンまで搭載したこの超複雑時計を、「クロノグラフ賞」としてどこまで評価すべきなのか。そこが審査の分かれ目になりそうだ。

○対抗

レジェップ・レジェピ〈クロノグラフ フライバック〉

 38.8mm径、厚さ9.7mmという端正なプロポーションのなかに、コラムホイール、水平クラッチ、フライバック、瞬時ジャンプ式分積算計を備えた完全新設計の手巻きクロノグラフを収めた。グラン・フー エナメルのダイアルから、見えない部品にまで及ぶ手仕上げまで、時計全体に隙がない。

 近年のGPHGクロノグラフ賞では、2022年のグローネフェルト、2023年のペテルマン・ベダ、2024年のマセナ LAB × シルヴァン・ピノー、2025年のアンジェラスと、独立系ブランドや時計師による、作り手の個性が色濃く表れたクロノグラフが強さを見せている。

 さらにレジェップ・レジェピは、自身が率いるアトリエ・アクリヴィアで2018年と2022年にGPHGメンズウォッチ賞を受賞しており、GPHGとの相性も悪くない。

 やはり気になるのは15万スイスフランという価格だが……。

▲穴

タグ・ホイヤー〈モナコ エバーグラフ〉

 穴として挙げたいのが〈モナコ エバーグラフ〉だ。最大の理由は、〈モナコ〉というアイコンに新型ムーブメントを載せただけではなく、クロノグラフの仕組みそのものに手を入れたことにある。

 新開発のキャリバーTH80-00では、従来、多数のレバーやスプリングが担ってきた機能の一部を、しなって動く特殊な部品に置き換えた。摩擦を減らし、耐久性や作動の安定性、さらにはプッシャーの感触まで改善するというアプローチは極めて現代的だ。まさに「クロノグラフ賞」にふさわしい革新である。

 5Hz、約70時間のパワーリザーブ、COSC認定、TH-Carbonspringまで備え、技術的な材料にも事欠かない。

 そして日本価格は493万9000円。もちろん決して安い時計ではない。しかし、今回の候補のなかで、その技術内容まで含めたコストパフォーマンスを考えるなら、圧倒的に魅力的だ。価格まで評価軸に加えるなら、一気に本命へ浮上してもおかしくない。

※本稿の予想はRevolution Japan編集部による独自の見解であり、GPHGの審査結果とは一切関係ありません。

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Brand:Arnold & Son, David Candaux, Ferdinand Berthoud, Girard-Perregaux, Louis Vuitton, Ming, Otsuka Lotec, TAG Heuer

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