マイクロブランドは当初、伝統的な時計製造に対するアンチテーゼ=対抗勢力と見なされていた。しかし、むしろこの業界の未来をリードしていく存在かもしれない
Power List: The Microbrands
個性豊かな俊英たち―ザ・ベスト・オブ・マイクロブランド
マイクロブランドは当初、伝統的な時計製造に対するアンチテーゼ=対抗勢力と見なされていた。しかし、むしろこの業界の未来をリードしていく存在かもしれない。
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by Wei Koh . Dec 23, 2022 |
- マイクロブランド人気の理由
- Atelier Wen(Robin Tallendier and Wilfried Buiron)
- Baltic (Etienne Malec, Paul Bienstman and Clement Daniel)
- Bamford Watch Department (George Bamford)
- Furlan Marri (Andrea Furlan & Hamad Al Marri)
- Isotope Watches (José Miranda)
- Jacques Bianchi (Jacques Bianchi, Fabrice Pougez, Paul Miquel and Simo Tber)
- Massena Lab (William Massena)
- Nivada Grenchen and Vulcain (Guillaume Laidet)
- Seconde/Seconde/ (Romaric André)
- Studio Underd0g (Richard Benc)
- Unimatic (Giovanni Moro and Simone Nunziato)
- Yema Watches (Christopher Bôle and Anibal Martinez)
マイクロブランド人気の理由
マイクロブランドという曖昧な定義のカテゴリーは、この10年で飛躍的な進化を遂げた。ここでは、そのマイクロブランドの世界における主役たちに光を当てる。
今なぜマイクロブランドが注目を集めているのか?
第1に、ツァイトガイスト(時代精神)を的確に捉えている点だ。若き起業家やデザイナーによって創設、あるいは再興されたこれらの新進ブランドは、現代の時計コレクターが求めているものを知っている。作り手たちが、顧客と同世代だからである。
第2に、SNSやクラウドファンディングの台頭だ。こうした個人や小さなブランドが時計業界に大きな影響を与えるなど、10年前には考えも及ばなかった。しかし、インスタグラムやキックスターターといったオンラインプラットフォームの登場により、多くのブランドが成功を収めるに至った。
創業者の多くは、いまだ30代である。すなわち彼らこそが、この業界の未来を担う存在なのだ。
Atelier Wen(Robin Tallendier and Wilfried Buiron)

▲ アトリエ・ウェン(ロビン・タレンディエ & ウィルフリード・ビュイロン)アトリエ・ウェンのロビン・タレンディエ(左)とウィルフリード・ビュイロン(右)。
中国製であることに誇りを持つタイムピースの創造を掲げるアトリエ・ウェンの創業者たちは、若い頃から“中華の国”に特別な思い入れを抱いてきた。
ウィルフリード・ビュイロンはシンガポール在住で、香港に生まれ、北京大学で学び、中国ではテレビにもたびたび出演してきた人物である。
一方、ロビン・タレンディエはシノフィル(中国愛好家)の家庭に育ち、夏休みには頻繁に上海を訪れていた。そこで彼はアジアへの関心と機械式時計への興味を結びつけ、中国の天津シーガル製時計を収集し始める。
その後、大学時代には中国の時計コミュニティにおいてよく知られる存在となり、中国における時計製造の第一人者であるリー・ウェイの弟子となったほか、中国の時計産業の海外展開に関して政府のアドバイザーも務めた。
そしてビュイロンとタレンディエは、中国におけるデザイン、構造、仕上げ、そして職人技の水準を示すべく、「文化工房」を意味するアトリエ・ウェンを創設するに至った。その象徴が、ギヨシェ・ア・マン(手作業によるギヨシェ装飾)を施した美しいダイヤルである。

▲ 左から:アトリエ・ウェン〈パーセプション 影(イン)〉、〈パーセプション 缥(ピャオ)〉、〈パーセプション 霞(シア)〉
アトリエ・ウェンの〈パーセプション〉インテグレーテッドブレスレット仕様を数カ月にわたって着用してきたが、その仕上げの水準と構造の完成度は実に印象的であると断言できる。ダイヤルは、これまで目にしてきたなかでも最上級に位置づけられる出来栄えだ。
そして今後について言えば、ロビン・タレンディエとウィルフリード・ビュイロンは、きわめて野心的な計画を抱いている。しかも彼らは、それを実現へと導く知性と機動力、そして実行力を兼ね備えているのである。
Baltic (Etienne Malec, Paul Bienstman and Clement Daniel)

▲ バルチック(エティエンヌ・マレク,ポール・ビーンストマン & クレメント・ダニエル) バルチックの3人の創業者――中央にエティエンヌ・マレク、左にクレメント・ダニエル、右にポール・ビーンストマン。
まだ若手ではあるものの、マレク、ビーンストマン、ダニエルの3人は、マイクロブランドの世界における“オリジネーター”ともいえる存在である。そしてバルチックは、ここ数年で最も成功を収めたブランドのひとつとなった。
ブランドの原点は、エティエンヌ・マレクが父のヴィンテージウォッチ・コレクションに抱いた愛情にある。彼は、早逝した父の遺した時計を通じて、その人となりを知っていったと語っている。

▲ バルチック〈トリコンパックス・リバースパンダ〉 ブランドを代表するヴィンテージスタイルのクロノグラフ。
今日では多くのマイクロブランドが、1940〜60年代の精神を取り入れた時計作りを行っているが、その流れをいち早く打ち立てたのは、マレク、ビーンストマン、ダニエルの3人であり、彼らが手がけた〈バイコンパックス・クロノグラフ〉であった。
ここ数年、彼らはさらなる進化に注力しており、〈アクアスカーフ GMT〉のようにスイス製ムーブメントを搭載したモデルを展開するほか、ペーターソン・オートとのコラボレーションによる最新作〈トリコンパックス・クロノグラフ〉も発表している。
また、フランス時計産業をひとつにまとめようとする志のもと、コミュニティのリーダー的存在としての役割も果たしている。
そして仕事を離れれば、マレク、ビーンストマン、ダニエルの“トリニティ”は、スコットランドの辺境やアルプスをポルシェで駆け抜けることを楽しんでいるという。さらに最近では、マレクがドイツのニュルブルクリンク(全長22km)をGT3で走破したことも話題となった。
Bamford Watch Department (George Bamford)

▲バンフォード・ウォッチ・デパートメント(ジョージ・バンフォード) バンフォード・ウォッチ・デパートメントの創業者、ジョージ・バンフォード。
ジョージ・バンフォードは、これまで出会ったなかでも指折りに温かく、誠実で、そして人当たりの良い人物である。キャリアの出発点は、ブラックアウト仕様のデイトナを手がけたことであり、それらは現在でも高い人気を誇っている。
その後は方向性を転換し、LVMHグループやフランク ミュラー、ショパールといったブランドとの公式コラボレーションへと軸足を移した。
そして今年は、RUF × バンフォード × ハイスノバイエティによるタグ・ホイヤー〈カレラ〉など、記憶に残るモデルをいくつも発表している。

▲ RUF × バンフォード × ハイスノバイエティによるタグ・ホイヤー〈カレラ〉
同時に彼は、バンフォード ロンドンの名のもとに自社のタイムピースも展開している。力強いデザインと魅力的なコラボレーションを特徴とし、コストパフォーマンスにも優れている。
Furlan Marri (Andrea Furlan & Hamad Al Marri)

▲ ファーラン・マリ(アンドレア・ファーラン & ハマド・アル・マリ) ファーラン・マリの共同経営者、アーティストのハマド・アル・マリ(左)とリードデザイナーのアンドレア・ファーラン(右)。
アンドレア・ファーランとハマド・アル・マリが2021年に成し遂げたことは、前例のないものであった。ブランドを立ち上げ、発表し、さらに同年のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)においてオロロジカル・レベレーション賞(新人賞)を受賞するという快挙を成し遂げたのである。
彼らは、小規模で若い新興ブランドが、既存の大手メゾンよりも、いかに消費者の動向を的確に捉えているかを示す好例である。
実際、ファーラン・マリがインスタグラムで16回目の投稿として、パテック フィリップの伝説的モデル〈1463〉へのオマージュを公開した瞬間、私はこのブランドに強く惹きつけられた。
そこには、フランソワ・ボルジェによる象徴的なケース、リューズ、プッシャーといった神聖とも言うべき意匠がしっかりと踏襲されていた。
そして何より、コレクターたちが熱狂するスタイルのクロノグラフを、数百ドルという価格帯で実現しようとした点は、まさにゲームチェンジャーであった。

▲ ファーラン・マリ〈カスターニャ〉Ref.1009-A(Image: ©Revolution)

▲ ファーラン・マリ〈ロッソ・グリージョ〉Ref.1085-A

▲ ファーラン・マリ〈ネロ・サッビア〉Ref.1072-A
ジュネーブ・ウォッチ・デイズでファーランとマリに直接会った際、彼らの思慮深さ、献身、誠実さ、そして人柄の良さには大いに感銘を受けた。
それから1年以上が経過した現在、ファーラン・マリは大きな成功を収めている。しかしそれ以上に印象的なのは、ブレゲ数字のアプライドインデックスや夜光仕様のローマンインデックスを備えたダイヤル、そして実に豊かな色彩表現をもって、ブランドとしての進化を着実に続けている点である。
さらに控えているのが、初のスイス製機械式クロノグラフ、そして業界の真のレジェンドとの協業による複雑時計である。彼らは静かに、謙虚に、壮大な未来を描いている。
Isotope Watches (José Miranda)

▲ アイソトープ(ホセ・ミランダ)エンスージアスト主導のブランド、アイソトープ・ウォッチズの創業者、ホセ・ミランダ。
ホセ・ミランダによるアイソトープのデザインは、その圧倒的な独創性によって人を惹きつける。過去100年にわたって築かれてきた腕時計のデザイン様式から、あえて大きく外れるには、並外れた胆力が必要だろう。
多くの時計、とりわけこのカテゴリーにおいては、ノスタルジックに1940〜60年代から引用するブランドが多いのに対し、ミランダはバウハウスからストリームライン、さらにはマックス・ビルに至るまで、さまざまなデザイン言語を取り入れることで、タイムピースに対する新鮮な解釈を示している。

▲ アイソトープ〈GMT 0º〉
アイソトープの〈GMT 0º〉は、ダイヤル外周に配されたドットによってホームタイムを表示する独創的な機構を採用している。
一方、ダイバーズモデル〈ハイドリウムX “ザ・ジャッジ”〉では、燃えるようなレッドのスムースベゼルと誇張された大型針によって、実用一辺倒になりがちなツールウォッチに鮮やかな個性を与えている。
ミランダはいつも次なる一手を準備している。たくさんの驚くべき新作モデルの発表が控えている。
Jacques Bianchi (Jacques Bianchi, Fabrice Pougez, Paul Miquel and Simo Tber)

▲ ジャック・ビアンキ(ジャック・ビアンキ,ファブリス・プージェ,ポール・ミケル & シモ・テベル)左:〈JB200〉ダイバーズウォッチと時計師、ジャック・ビアンキ。中:時計ジャーナリストのポール・ミケル。右:シモ・テベル(左)、ファブリス・プージェ(右)
白い顎髭とヘラクレスのごとき体躯を備えたジャック・ビアンキは、まるでギリシャ神話のポセイドンを思わせる風貌の持ち主である。彼はマルセイユに居を構え、若き日には時計の修理と設計を生業としていた。
1982年、コメックスのダイバーたちが使用する時計に携わるなかで培った経験をもとに、ビアンキは自らのダイバーズウォッチ〈JB200〉を完成させる。それは、マンタレイを思わせる独特のケース形状と、ダイヤル上に描かれた腕時計を装着したダイバーのモチーフを備えた、他に類を見ないモデルであった。
この時計はフランス海軍にも採用され、実際に運用されたのである。

▲ 対照的なカラーのルミノバで描かれた象徴的なスキューバダイバー――ジャック・ビアンキ × Revolution〈JB200“メデュース”〉リミテッドエディション(Image: Revolution©)
それから40年――〈JB200〉はかつてないほどの熱気とともに復活を遂げた。立役者となったのは、MATウォッチズの創設者ファブリス・プジェ、著名ジャーナリストのポール・ミケル、そしてデジタルマーケティングの専門家シモ・トベルの三人である。
彼らは伝説的時計師ジャック・ビアンキとともに、2021年、クラウドファンディング、キックスターターを通じて〈JB200〉を再始動させ、そのプロジェクトは爆発的な人気と需要を獲得した。
以来、コレクターたちは〈JB200〉を手に入れようと熱望しており、一般販売(キックスターター以外での正式ローンチ)も行われた。
勢いに乗る彼らが、この唯一無二で魅力的なブランドをどのように次のステージへと導くのか、期待は高まるばかりである。
Massena Lab (William Massena)

▲ マッセナLAB(ウィリアム・マッセナ)創設者ウィリアム・マッセナ。時計コレクターとして知られ、2018年にマッセナLABを設立。独立時計師やブランドとの協業により、限定モデルを数多く手がけてきた。
マッセナLABの創設者ウィリアム・ロアは、しばしばウィリアム・マッセナの名で知られる。「マッセナ」という名は実名ではなく、ナポレオン麾下の名将アンドレ・マッセナ――“勝利の寵児”の異名を持つ人物――に由来する創作である。
この呼称は言いえて妙だ。ロアはマッセナLABをコラボレーションウォッチの殿堂へと育て上げ、独自モデルを数多く生み出してきた。
ウニマティック、ハブリング²、ルイ・エラール、そしてMB&Fといったパートナーとのプロジェクトはいずれも即完売を記録している。

▲ ウニマティック × マッセナLAB〈U4S-BRZ-ML〉

▲ ハブリング² × マッセナLAB〈クロノ・フェリックス・パーペチュアル〉

▲ ルイ・エラール × マッセナLAB〈ル・レギュレーター〉

▲ マッセナLAB × セコンド/セコンド/〈ユニ・レーサー〉
彼は、ルカ・ソプラーナのようなコンストラクターの潜在力を見出し、〈オールドスクール〉という実に魅力的な時計へと結実させる手腕にも長けている。
また、ユニバーサル・ジュネーブの〈バイコンパックス〉へのオマージュとして〈ユニ・レーサー〉を創出し、ロマリック・アンドレ(セコンド/セコンド/)との洒脱な協業も実現した。
卓越した審美眼と知識を備えた時計コレクターであり、かつてはTimeZone.comのマネージングディレクター、さらにアンティコルムのCOOも務めたオークションのエキスパートである彼は、現在ではコラボレーション・エディションのスペシャリストとして活躍している。
まさにマッセナの手にかかれば、あらゆるものが黄金へと変わるのだ。
Nivada Grenchen and Vulcain (Guillaume Laidet)

▲ ニバダ・グレンヒェン & ヴァルカン(ギョーム・ライデ) ギョーム・ライデ フランス出身。時計ブランドの再興を手がける起業家/プロデューサー。
ギョーム・ライデは、マイクロブランド界における“ジェームス・ブラウン”的存在である。すなわち、この分野で最も精力的に活動する男という意味だ。
ひとつならず二つのブランド再興を指揮したのだ。
彼はニバダ・グレンヒェンを、優れたデザイン、ヴィンテージ感、高い品質、遊び心を兼ね備え、何よりリーズナブルなスポーツウォッチとして蘇らせた。
2018年、レミ・シャブラとともにブランドを復活させて以来、ライデは〈アンタークティック〉〈クロノマスター〉〈デプスマスター〉を復刻し、大きな成功を収めてきた。
今後は、機械式時計として初めてデプスゲージを備えた1964年の〈デプソマティック〉の再導入も控えている。
同時に彼は、ヴァルカンの〈クリケット〉も再始動させた。この象徴的なアラームウォッチの本来のデザインとサイズ感を取り戻し、再び人気モデルとすることに成功した。
ライデは間違いなく、いま最も注目すべき起業家のひとりである。
Seconde/Seconde/ (Romaric André)

▲ セコンド/セコンド(ロマリック・アンドレ)ロマリック・アンドレ フランス生まれ。セコンド/セコンド創業者。時計にユーモアとアイロニーを持ち込んだ異色のクリエイター。既存の高級時計の文脈を軽やかに“脱構築”し、視覚的なジョークや風刺を組み込んだカスタムウォッチで注目を集めている。
ロマリック・アンドレは、卓越した手腕でユーモアを操る人物である。実際、彼は時計の針やダイヤルに手を加え、あるいはそれらを置き換え、まったく独自の時計を生み出している。その結果として生まれるのは、思わず微笑みを誘うタイムピースである。
たとえば、マッセナLABとの協業による〈ユニレーサー〉の“ビッグアイ”仕様では、クロノグラフのミニッツカウンターにピクセル化された巨大な眼球を取り付けてみせた。
アンドレは、「時計とは本来喜びをもたらすものである」ということをわれわれに思い出させてくれる。その役割はきわめて重要なのだ。

▲マッセナLABとセコンドセコンドことロマリック・アンドレとのコラボレーションにより生まれた〈ユニレーサー“ビッグアイ”〉
Studio Underd0g (Richard Benc)

▲ スタジオ・アンダードッグ(リチャード・ベンク)リチャード・ベンク 英国生まれ。ロンドンを拠点とするスタジオ・アンダードッグ創業者。従来の時計デザインに大胆な色彩とユーモアを持ち込んだ新世代のクリエイター。
スタジオ・アンダードッグのウェブサイトで“About Us”ボタンを選ぶと、リチャード・ベンクの3枚の画像が表示され、彼が創業者(Richard)、デザイン責任者(Rich)、そしてマーケティングマネージャー(Ricky)を兼ねていることが示されている。
これは、彼がこの新興ブランドを一人で立ち上げたことを、ウィットに富んだ方法で表現したものだ。
その後、スタジオ・アンダードッグは、シーガルST-1901ムーブメントを搭載した、鮮やかでポップアートのようなバイコンパックス・クロノグラフによって、カルト的な人気を獲得する。
特筆すべきは、500ポンドという価格帯でありながら、これらの時計がすべてイングランド国内で組み立てられている点である。
スタジオ・アンダードッグの時計の魅力は、優れたデザインと、身につける者の気分を高揚させる楽しさとを兼ね備えているところにある。人々を楽しい気分にさせたいという思いこそが、ベンクがこのブランドを立ち上げた動機であった。
2020年に新型コロナウイルスのパンデミックが世界を襲った際、彼は自宅に閉じこもる日々に嫌気がさし、自らのブランドを立ち上げることを決意した。
その結果として生まれたスタジオ・アンダードッグの時計は、その明るく前向きな外観によって、その後の2年間において希望とポジティブさの象徴となったのである。

▲ スタジオ・アンダードッグの〈ウォーターメロン〉は、ギルト仕上げのスワンネック・レギュレーターを備えたシーガル製手巻きムーブメント、ST-1901によって駆動される。

▲ スタジオ・アンダードッグ〈ストロベリーズ・アンド・クリーム〉
彼が手がけた魅力的なカラーバリエーションの中でも、私のお気に入りは、時計およびテニスジャーナリストであるミゲル・シアブラとのコラボレーションによって生まれ、今年大きな成功を収めた〈ストロベリーズ&クリーム〉である。
リチャード・ベンクは今後もさらなるモデルを計画しているに違いないが、彼が何を作ろうとも、そのカラフルで子供のような色使いは、われわれを笑顔にしてくれるだろう。
創業者としてのリチャード、デザイナーとしてのリッチ、そしてマーケターとしてのリッキー――その三つの人格すべてに対して、私はこう言いたい。「見事である」と。
Unimatic (Giovanni Moro and Simone Nunziato)

▲ ウニマティック(ジョヴァンニ・モーロ & シモーネ・ヌンツィアート) ウニマティックの共同創業者であるジョヴァンニ・モーロ(左)とシモーネ・ヌンツィアートは、多彩なアーティストやブランドとのコラボレーションを通じてその存在感を高めてきた、最も成功したマイクロブランドのひとつを築き上げた人物たちである。
ジョヴァンニ・モーロとシモーネ・ヌンツィアートは、ミラノ工科大学で出会い、時計への共通の情熱によって意気投合した。2015年にウニマティックを立ち上げ、その後、カルト的支持を獲得するに至った。最も成功した新興ブランドのひとつといえる。
彼らのタイムピースのデザインには、私が“必然性”と呼びたい特質がある。すなわち、実用性、ミニマリズム、そしてイタリア的感性が融合することで、あたかも“存在せざるを得なかった”かのような時計なのだ。
とりわけ印象的なのは、〈モデロ・ウノ〉のダイバーズウォッチから〈モデロ・トレ〉のクロノグラフに至るまで、彼らの時計が、コラボレーションに適している点だ。多様なアーティスト、デザイナー、さらには時計メディア企業に至るまで、幅広い分野との協業を前提とした設計となっているのである。

▲ ウニマティック × Revolution & THE RAKE〈モデロ・ウノ GMT “アークティック・フォックス”〉
彼らは現代でもっとも聡明なデザイナー・デュオのひとつであり、多くのブランドとの強力なパートナーシップを築き上げている。
常に優れたデザインと非常に高い品質を備えたタイムピースを生み出し続けており、近年ではスイス製ムーブメントへの移行も進めている。
Yema Watches (Christopher Bôle and Anibal Martinez)

▲ イエマ(クリストファー・ボール、アニバル・マルティネス) 左:イエマのマーケティングディレクターであるアニバル・マルティネス。右:イエマのCEOであるクリストファー・ボール。
イエマは、クリストファー・ボールが所有する時計ブランドである。フランス製ムーブメントの開発を含め、フランス時計産業を再び世界の舞台へと押し戻すという高い志を掲げている。
モルトーの町(フランス東部、ジュラ山脈)にルーツを持ち、優れたデザイン、ヴィンテージ感、独自性、そして優れた価格帯で知られる。イエマはマイクロブランド界における重要なプレイヤーといえる。
とりわけ、独自のベゼルロック機構を備えた〈スーパーマン〉ダイバーズウォッチは、大きな成功を収めている。
イエマは2022年11月15日に自社開発のマイクロローター・ムーブメントを発表し、大きな注目を集めた。これはブランドがさらなる進化を遂げるうえでの新たな章の幕開けを意味している。

▲ イエマ〈スーパーマン 500 デストロ リミテッド エディション〉
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