パルミジャーニ・フルリエが、創業者ミシェル・パルミジャーニの75歳を祝す傑作〈ラ・ラべナール〉 ミニッツリピーターを発表。1世紀前に製造されたエボーシュを蘇ら
Parmigiani Marks Founder’s Birthday with La Ravenale
創設者の誕生日に捧げる〈ラ・ラベナール〉ミニッツリピーター
パルミジャーニ・フルリエが、創業者ミシェル・パルミジャーニの75歳を祝す傑作〈ラ・ラべナール〉 ミニッツリピーターを発表。1世紀前に製造されたエボーシュを蘇らせたムーブメントに、天然石のマルケトリーと手彫りの装飾を融合させた至高のユニークピースだ。そのすべてが、比類なき独創の結晶である。
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by Sheng Lee . Dec 5, 2025 |
徹底した手仕事の粋
パルミジャーニの75歳を記念して制作されたのは、名高い修復師から独立時計師へと転身した彼を讃えるにふさわしい、驚嘆すべき傑作〈ラ・ラベナール〉ミニッツリピーターである。
〈ラ・ラベナール〉は、単なる一過性の制作物ではない。それは、比類なき個性が宿る唯一無二の存在だ。その心臓部には、1世紀前の“エボーシュ(未完成のムーブメント)”が収められており、卓越した基準で入念に修復と仕上げが施されている。ダイヤルとケースバックには、手彫りの彫金や翡翠を用いたストーンマルケトリー(象嵌細工)など、伝統的なメティエ・ダール(芸術的な手仕事)を駆使した幾何学的なデザインが躍る。

パルミジャーニ・フルリエの誕生日を祝う時計は、長年このブランドの強固なデザイン性を知らしめてきた。どの作品も簡潔さと崇高さを併せ持ち、往年の巨匠たちの名作を彷彿とさせるとともに、後世にわたって称賛される美を湛えているのだ。こうした感性は、アンティーク時計の修復師として歩み始めた創設者の原体験に根ざしているといえるだろう。
〈ラ・ラベナール〉もまた、この伝統を継承している。ケースバックには、クラシックとモダンを融合させた幾何学模様が施されているが、真に目を引くのはその制作手法だ。エナメルではなく、ストーンマルケトリーによって模様が描かれているのである。伝統的なマルケトリーが木材やレザーを用いるのに対し、本作品では貴石が採用された。濃淡のブルーオパールと淡いグリーンの翡翠が、空や水を思わせる静謐な趣を醸し出しているのだ。

▲圧倒的な技巧が光る、鮮烈なモチーフ
モチーフの着想源となったのは、完璧な扇型の葉が黄金比をなす、マダガスカルの「タビビトノキ」としても知られる「ラベナラ(Ravenala)」であり、これが時計の名称の由来となってる。この幾何学的なテーマは、ダイヤルに施された緻密な手彫り彫金にも共鳴している。遠目にはギヨシェ彫りのようにも見えるが、その実態ははるかに精緻だ。アトリエ・ブランドゥニエにおいて、微細な点の一つひとつが手作業で彫り込まれているのである。

蘇る100年前のムーブメント
ケースとダイヤルの仕上がりもさることながら、内部に搭載されたムーブメントはそれ以上に、あるいはそれと同等に魅力的なのだ。ブランド自社製のチャイミング・ムーブメントも存在するが、本作品のために選ばれたのは、1世紀前に製造された自社が秘蔵するアンティークムーブメントなのである。
パルミジャーニ・フルリエは、1920年代のエドゥアール・コーエン製アンティーク・ミニッツリピーターのエボーシュを修復したのだ。コーエンの名は一般には広く知られていないかもしれないが、このムーブメントの仕様はその質の高さを雄弁に物語っている。例えば、テンプにはバイメタリックの切りテンプ(温度補正機能を持つ高度なシステム)が採用されている。これは当時、最高級の時計にのみ許された稀少な技術の証しなのだ。

▲1世紀の時を越えた時計師たちの対話。
もはや交換部品が存在しない中、メゾンはオリジナルの部品を再利用し、“フリクション・セッティング(摩擦止め)”によって穴石を留め直すなど、細心の注意を払ってムーブメントを再生させたのだ。さらに、ムーブメント全体には彫金が施され、ケースからダイヤルへと続く装飾的なアプローチを完遂させている。

▲回転式の研磨ホイールで下地を整えた後、研磨剤を塗布した伝統的なペグウッドを用いて面取りを仕上げていく。
装飾を終えたムーブメントは、直径51.8mmのホワイトゴールド製ケースに収められた。ベゼルには手彫りの装飾が施され、ケースバックのパーム・モチーフと呼応するヘキサゴン(六角形)パターンや、ブランドロゴを反映したオーバル(楕円)のリンクを配した精巧なチェーンが組み合わされている。ローラン・ジョリエの手によって伝統的な手法で編み上げられたこのチェーンは、完成までに100時間以上を要したという。こうした細部への執念と伝統の維持こそが、〈ラ・ラベナール〉を創設者の75歳の誕生日に贈る、これ以上ない至高の賛辞となっているのである。
Brands:Parmigiani Fleurier
